NSC・YCC・YOEC特集

「最初のダメ出しを今でも覚えてる」
ダイアンの出発点

ダイアンの東京進出

──NSCを卒業して最初に直面した壁はなんですか?

西澤 NSC生の前でばっかりネタ見せしていると、だんだんネタが変な方向に偏っていくんです。でも劇場のお客さんは若い方が多いので、そのままやっていると違和感があった。それを修正するのに苦労しました。

津田 あと、当時baseよしもと(1999年から2010年まで営業していた関西若手芸人の拠点となる劇場)の「ガブンチョ組」に入るための入れ替え戦があったのですが、それになかなか勝てなくて。けっこうかかりましたよ。2年くらいかかったんちゃうかな?

西澤 そんなかかった? こいつ記憶がめちゃくちゃなんです。

津田 (笑)。でも1年半はかかってるって。長い道のりで、もどかしかったです。

ダイアン

ダイアン

──劇場に所属して以降は舞台やテレビの仕事を多くこなしていて、特にここ最近はご活躍が顕著です。東京進出についてはどうお考えでしょうか。

津田 もちろん(東京に)行きたいですよ。

西澤 視野に入れつつ、意識しつつですね。

──以前テレビ番組の企画で、キングコング西野さん、南海キャンディーズ山里さん、中山功太さんなど22期の方たちの「同期飲み会」というのがあって、その企画に西澤さんも参加されていました。その中でダイアンの上京話になったときに、津田さんに電話してその時期を決める流れになったんです。そこで困った西澤さんが「7年後のお前(津田)の誕生日に」とおっしゃって。

西澤 言いました?

──はい。その年か翌年くらいの想定で話をしていた同期の方たちは「何年先の話してんねん!」と。で、その「7年後の誕生日」というのが、この5月の津田さんの誕生日なんです。

津田 あはははは(笑)。なるほど。

西澤 へー。それ僕が言ったんですか?

──そうです。

西澤 そうでしょ?

津田 「そうでしょ」ってなんやねん。

西澤 たまにそういう、予知みたいなことがあって。怖くなるときあるんですよ。

──あはははは(笑)。当時はおそらく冗談で「7年後」とおっしゃったと思うんですが、実際に7年も経ってしまった。お二人としてはもっと早く東京で勝負するおつもりだったのでは?

津田 1つひとつやってきただけなので、正直、明確にいつ東京に行こうっていうのは考えていませんでした。自然とそうなればいいなと思ってずっとやってきて、もしかしたら今がタイミング的に合っているのかなっていうくらいの気持ちですね。

西澤 うん。普通にちゃんとやっていれば、自然とそういうタイミングはくるかなと。

──そのタイミングが、今なんじゃないかと感じるんです。

津田 自分たちは変わらずやっているつもりなんですけど。たしかに昔に比べたら今いい感じだとは思いますね。劇場に来てくれるお客さんも増えましたし。

──きっかけとして思い当たることはありますか? 「あの番組に出たから」とか。

津田 ないなあ。

──地道に積み重ねてきたものが実を結んできた。

津田 そうですね。年々よくなってきてるとは思います。

──では今年の津田さんの誕生日に東京進出するとして、ダイアンは天下を獲れるでしょうか。

津田 東京で勝負できる自信はありますが、天下っていうのはリアリティがないですね。何をもって「天下を獲る」というのかもわからない時代ですし。

西澤 自信がないとか遠慮しているとかではなくて、天下は獲れへんやろうなって思ってます。僕らはそこじゃなくて、自分らの長所や得意なところを突き詰めていって、ほかとは違う存在になれたら。東京で活動するとなったらまた0からのスタート。まずはたくさんの人に僕たちのことを知ってもらいたいです。

西澤裕介

西澤裕介

「M-1」が終わってもずっと戦っていく

──ダイアンさんの最近の変化といえば、「M-1グランプリ」の出場資格であるコンビ結成15年を超えて、2016年大会で初めて自分たちがエントリーしない「M-1」を経験されました。第1回から出場してきた大会をどういう心境でご覧になりましたか?

津田 テレビで観ているだけっていうのは、悔しさもあるし、なんとも言えない複雑な気持ちでしたね。

──やっと戦いから解放されたというお気持ちもあるのでは。

西澤 いや、ほんまに。ボロボロやったんですよ。傷だらけです。ずっと戦い、戦いでしたから。

──寂しさや悔しさより、「終わった」という思いのほうが強いですか。

西澤 去年の「M-1」前に4分ネタを2本披露する漫才イベントがあったんですが、僕らとウーマン(ラッシュアワー)以外は全員「M-1」に出るメンバーだったので、「M-1」でやるようなエッジの効いたネタを試してたんですよ。そのときは「自分たちは『M-1』に出ないんだな」っていうのをすごく感じました。

──戦わない漫才師生活に突入して、気持ちに変化はありますか?

西澤 「M-1」に出られなくなってからの芸人人生のほうが長いよっていうのは若い子らに言いたいです。おいお前ら、「M-1」に振り回されんなよ、と。

津田 それは優勝した奴が言うセリフや(笑)。振り回されてええねん。でも、「M-1」への挑戦が終わっても結局ずっと戦っていると思います。「上方漫才大賞」も、のほほんとやっていたら獲れませんから。

ダイアン

ダイアン

──お笑いを始めた頃のお二人が今の自分を見たらどう思うでしょうか。

津田 まさかこんなに長いことやってるとは想像できていなかったので、「ようやってるなあ」とは思うんじゃないですか。でも、もっと師匠的な感じか、おっさんぽくなるのかなと思ってました。

──お二人とも40歳ですがまだ体を張ることが多いですもんね。

西澤 以前、東野(幸治)さんに「NSCのときの自分が今の自分を見たらファンレター出すか?」って言われたことがあって。「ほんまにええ感じでこれてるのか?」と。僕らがNSCに入ったとき、40歳の芸人さんってめちゃくちゃいぶし銀のイメージだったんです。そういうイメージで僕らもNSC生に見られていると思うと、ファンレターは出さないんじゃないかと……。

津田 まあな(笑)。でも当時の40歳前後の芸人さんと今の僕らでは状況や環境が違いますから。年々ブレイクするまでの年齢が上がっているじゃないですか。1人の芸人さんが長く売れているし。でも、どっかでまた若手の時代がくると思っていて。それこそ、そこまでずっと戦わなあかんなとは思っているんです。

ダイアン

ダイアン

NSCに入った時点で25%くらいは成功

──もし今、20歳前後の若者に戻ったとして、今度は別々にNSCに入るならどんな人とコンビを組みたいですか?

津田 西澤もいるってことですか? そしたらやっぱり西澤と組みますね。

西澤 僕は1人で入るっていう感覚はなかったです。

──1人だったら入らなかった。

西澤 そうだと思います。

──お二人の在籍時と最近とではNSCのカリキュラムなどが異なりますが、近頃の若手芸人さんにどんな印象をお持ちですか?

津田 個性的だなと思います。正統派はなかなか苦労する時代なのかもしれないですけど。

西澤 「NSC大ライブ」(NSCの卒業公演)のMCをやったときに、僕らのときよりもすごく上手だなと感心しました。ほんまに養成所生なのかな?って思うくらい、舞台度胸もあって。

津田 今のNSCは作家さんや現役の芸人さん、いろんな先生から学べて情報量も多い。芸人として完成するまでのスピードが早いなと感じます。

──それでは最後に、NSCへの入学を考えている人たちにメッセージをお願いします。

津田 お笑いに興味があるんだったら、人生経験としてぜひ行ってみてください。成功するチャンスもあるし、そこで挫折しても絶対にいい経験になる。1回めちゃくちゃやってみたらいいと思うんです。それがハマるかハマらへんかは運次第で。夢のある仕事やし、いろんな人と出会えると思います。

西澤 NSCに入った時点で25%くらいは成功かなってたまに思うんです。一歩踏み出して、お笑いの世界に足を踏み入れたっていう意味で。入ってしまえばあとはすすすーっと流れに乗ればいいだけ。動かなければ何も始まらないので、お笑いやってみたい人は入ったほうがいいんじゃないでしょうか。面白いところやと思います。

ダイアン

ダイアン

ダイアン初DVD発売!

2016年10月に東京・ルミネtheよしもとで開催したベストネタライブを収録。「本屋」「コンビニ」「美容室」といった漫才8本と、幕間に上映された「ダイちゃんのおもしろVTR」を楽しめる。さらに特典映像として、2人が芸人になって初めて1人暮らしした街を再訪した撮り下ろしロケ「初めて1人暮らしをした大阪・平野をぶら歩き」や、2015年の単独ライブ「ABCホールのダイちゃん」より「おもしろVTR~聖バレンタイン~」も。当日のライブレポートはこちら(参照:ダイアンがベスト漫才8本で満席の会場沸かす、初のルミネ単独ライブ)。

ダイアン1st DVD「DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~」
ダイアン1st DVD「DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~」
2017年2月8日発売
[DVD] 3240円
よしもとアール・アンド・シー
YRBN-91116

プロフィール

ダイアン
ダイアン
左 / 西澤裕介(ニシザワユウスケ)

1977年3月14日生まれ。滋賀県出身。

右 / 津田篤宏(ツダアツヒロ)

1976年5月27日生まれ。滋賀県出身。

1999年、共に22期生としてNSC大阪校に入所。卒業後は大阪・baseよしもとの中心メンバーとして活躍した。2014年に「上方漫才大賞」奨励賞を受賞。現在「本日はダイアンなり!」(ABC)、「お笑いワイドショー マルコポロリ!」(関西テレビ)、「あさパラ!」(読売テレビ)、「よなよな…」(木曜 / ABCラジオ)などに出演している。2017年2月に自身初DVD「ダイアン1st DVD『DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~』」をリリース。来る4月23日には「なんばグランド花月のダイちゃん~追加公演のダイちゃん~」を開催し、同時に芸人の単独ライブ史上初となるライブビューイングを大阪・YES THEATERで実施する。

ダイアン1st DVD「DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~」
ダイアン1st DVD「DVDのダイちゃん~ベストネタセレクション~」
2017年2月8日発売
[DVD] 3240円
よしもとアール・アンド・シー
YRBN-91116
スクール案内
2017年4月入学生募集中
吉本総合芸能学院(NSC)

吉本総合芸能学院(NSC)は1982年に大阪校が開校して以降、さまざまなタレントを輩出。2015年には東京校出身のトレンディエンジェルが、2016年には大阪校出身の銀シャリが「M-1グランプリ」王者に。新人オーディションなど芸人としての実力を試すチャンスが豊富で、成績優秀者は在学中から舞台やテレビなどで仕事の現場に立つ。

  • 第4次募集締切:2017年3月末日(必着)
    締切間もなく!

詳しくはこちらまで

よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)

よしもとクリエイティブカレッジは2008年度にNSCの姉妹校として誕生。各種番組やイベント、ライブなどに携わるスタッフや、クリエイター、構成作家の養成を目的としている。芸人や構成作家、放送局のプロデューサーといったプロを講師に迎えた特別講座多数。卒業生は吉本興業グループ関連会社をはじめ、テレビ局や制作会社、芸能プロダクションなど、エンタテインメント業界で活躍している。

  • 第4次募集締切:2017年3月末日(必着)
    締切間もなく!

詳しくはこちらまで

よしもと沖縄エンターテイメントカレッジ(YOEC)

よしもと沖縄エンターテイメントカレッジは2011年4月に開校。独自の芸能文化が根付いている沖縄での新たな才能の発掘を目指す。「沖縄から世界に発信するコンテンツを」という志を掲げてタレントやスタッフ志望者によしもと流のノウハウを教えている。沖縄国際映画祭など県内各所で行われるイベントにて実践を積む機会も多数。

  • 願書受付締切:2017年4月末日(消印有効)

詳しくはこちらまで

NSC特集「M-1グランプリ2016」王者・銀シャリインタビュー&特別授業レポート YCC特集博多華丸・大吉×YCC出身マネージャーインタビュー