YOUR SONG IS GOOD「Extended」PR

YOUR SONG IS GOOD「Extended」発売記念特集

YOUR SONG IS GOOD「Extended」発売記念特集
サイトウ“JxJx”ジュン×髙城晶平(cero)対談

カクバリズムに集う個性の連鎖

来年で結成20周年を迎えるYOUR SONG IS GOOD(以下YSIG)が、およそ3年ぶりとなるオリジナルアルバム「Extended」を発表した。彼らは2013年11月発売の前作「OUT」で、ハウスやアフロビートからの影響を滲ませるダンスグルーヴを打ち出して新たなYSIG像を描き出したが、今回はさらに進化。バレアリックやディスコリエディットのエッセンスも採り入れた最新形のYSIGを展開している。

今回の特集では、YSIGのリーダーのサイトウ“JxJx”ジュンと、カクバリズムでレーベルメイトであり、変化し続けるYSIGの姿を間近で見てきたceroの髙城晶平(Vo, Flute, G)による対談をセッティング。新作「Extended」の話はもちろん、2つのバンドの共通点や、彼らを含む数多くの才能を輩出してきたカクバリズムのことなど、2人の会話は多岐に渡った。

取材・文 / 大石始
撮影 / 相澤心也

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YOUR SONG IS GOOD「Extended」
2017年5月10日発売 / カクバリズム
YOUR SONG IS GOOD「Extended」初回限定盤

初回限定盤 [CD2枚組]
3348円 / DDCK-9006

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YOUR SONG IS GOOD「Extended」通常盤

通常盤 [CD]
2808円 / DDCK-1050

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収録曲
DISC 1
  1. Cruise
  2. New Dub
  3. Mood Mood
  4. Double Sider
  5. Palm Tree
  6. On
  7. Waves
DISC 2(初回限定盤のみ)

Remixes

  1. The Cosmos(Being Borings Remix)
  2. Changa Changa(Lord Echo's Disco-Remix)
  3. Re-Search(FORCE OF NATURE Remix)
  4. Waves(Gonno Remix)
  5. Double Sider(XTAL Remix)
cero「街の報せ」
2016年12月7日発売 / カクバリズム
cero「街の報せ」CD

[CD]
1080円 / DDCK-1049

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YSIGとcero

──髙城さんがYOUR SONG IS GOODの存在を知ったのはいつ頃のことなんですか?

髙城晶平 タワーレコードの試聴機に最初のCD(2002年8月発売のミニアルバム「COME ON」)が入っていて、「エキゾ、パンク、スカすべてをミックスした~」というキャッチコピーが書いてあったんですよ。「こういうことを自分たちでやってる人たちがいるんだ、楽しそうだな」と思ったことを覚えてますね。

サイトウ“JxJx”ジュン 15年前か。その危険なキャッチコピーは自分たちで考えていた可能性があるね(笑)。

左からサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、髙城晶平(cero)。

左からサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、髙城晶平(cero)。

──2人が実際に会ったのは?

髙城 僕らが最初のレコード(2010年11月発売の10inchシングル「21世紀の日照りの都に雨が降る」)を出す直前だったと思いますね。

JxJx 「21世紀の日照りの都に雨が降る」は聴いた瞬間、めちゃくちゃいいなと思った。細野(晴臣)さんだったりはっぴいえんどだったり、好きなものは自分と一緒だと思ったけど、それを新しい感覚でやってた。かつてのものを新しい感覚でやるという意味ではSAKEROCKもそういうところがあったけど、ceroはその感覚をさらに新しく更新してて、すごく面白いと思ったんだよね。

──そこでいう“新しさ”ってどういう部分なんでしょうか。

JxJx 偉大なる先輩たちの音を自分たちのものにしようとしている、ということなのかな。そのままじゃなくて、あくまでもcero流。バンドによる何らかの解釈がなされていて……つまりはオリジナリティがあるということだと思う。ceroの住んでいる街の空気が入っているというか。

髙城 「あくまでもcero流でやる」というのは、当時からまさにそういう意気込みでやってましたね。自分たちにとっては向かうべき方向の先にSAKEROCKがいて、さらにその先にYOUR SONG IS GOODがいた。じゃあ自分たちは何をやろう?と考えたとき、「歌モノをやろう」ということになったんです。当時はグッドラックヘイワとかいろんなインストバンドが出てきた時期だったので、ceroは歌モノの系譜を再解釈してやろう、そうしたらカクバリズムにうまく紛れ込めるんじゃないかって(笑)。

JxJx まんまとその通りになったね(笑)。

──カクバリズムの所属バンド同士でそうやって意識し合うことはけっこうあるんですか?

髙城 僕らはあとから入ってきたので、YOUR SONG IS GOODやSAKEROCKのことは意識してますよね、当然。迎える側の意識はわからないけど。

──「迎える側」としてはいかがですか。

JxJx 迎える側としては……(笑)。基本的にカクバリズムというレーベルは角張渉(カクバリズム代表取締役)という人物が好きなバンドしか所属していないわけだけど、どのバンドとも好みの音楽に関する話が合うんだよね。バンドといってもいろんな人たちがいるし、すごく説明しないと話がわかってもらえないことも多いんだけど、カクバリズムのバンドはみんな話が早いから楽しい(笑)。

サイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)

サイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)

髙城 確かに。

JxJx あと、ceroがカクバリズムに入ってからレーベル内の世代の幅がさらに広がったところはあるよね。

カクバリズムの変なまとまり

──ジュンさんと髙城さんの間もちょうど10歳ぐらい離れてるんですよね。同じ音楽の話をしても世代差を感じることはない?

JxJx あんまり感じないかな。聴きどころの違いはもちろんあるんだろうけど、それは世代とは関係なく誰とでもあることだろうし、世代の差を感じていないからこそ、こういうふうに仲よくやれてるのかもしれない。

髙城 そうかもしれないですね。あと、たぶん僕らも同世代の平均的リスナーじゃないと思うんですよ(笑)。

JxJx そうでした(笑)。

髙城 むしろ上の世代のほうが話が合いやすいんです。

──世代差や先輩後輩の序列がないところもカクバリズムのよさなのかもしれないですね。

JxJx 確かにそうかも。

髙城 新しく入ってきたスカートなんて僕らよりも歳下だけど、お父さんみたいな音楽の趣味してますからね(笑)。

JxJx ハース・マルティネスとか好きだもんね。そして、そこに思わず俺が反応してしまうという(笑)。

──基本的には主宰者である角張さんの好みで所属アーティストは選定しているわけじゃないですか。それなのにバンド同士がすぐに話が合ってしまうというのは、角張渉という人物の嗅覚の鋭さも感じてしまうんですけど。

JxJx ここはあんまり持ち上げたくないけども(笑)、そういうところはありますね。

髙城 社長は「このバンド、いいな」と思ったとき、まずは一緒に呑みにいくんですよ。その中で「この人とは付き合っていけるのか?」という点を見てるんじゃないかと思うんです。音楽の好みや温度感をすごく重要視してる気がしますね。

髙城晶平(cero)

髙城晶平(cero)

JxJx ああ見えて、めちゃくちゃ人見知りだしね。

髙城 そうそう。だからこそ、「この人と話し合ったりできるかな?」ということをすごく気にしてるんだと思います、音楽性以上に。

──音楽性以上に(笑)。

髙城 でも、それが案外重要な指標になってて、結果、レーベルとして変なまとまりがあるという。

JxJx 大体さ、カクバリズムってものすごいエグみのある上昇志向のある人がいないよね(笑)。

髙城 ああ、確かにいないっすね(笑)。

──自分たちの音楽で成り上がってやる!という。

JxJx そうそう。上昇志向は悪いわけじゃないんだけど、そういうレーベルじゃないのかも。どちらかというと自分たちの面白い感じを粛々と追求するというか、リスナー体質のバンドが多いんだろうね。

髙城 そうですね。みんな音楽性自体はバラバラだけど、そういう共通点はあるのかも。