THE 夏の魔物「シン・マモノボンバイエ EP」PR

成田大致(THE 夏の魔物) × 渡辺淳之介(WACK)

成田大致(THE 夏の魔物) × 渡辺淳之介(WACK)

トリックスターはもう卒業
2人が見つけた新たなやり方

THE 夏の魔物が、初のミニアルバム「シン・マモノボンバイエ EP」をリリース。これを記念して音楽ナタリーでは、THE 夏の魔物の成田大致と、WACK代表の渡辺淳之介による対談を企画した。

成田率いるTHE 夏の魔物は「ペンライトを振れるロックンロールバンド」を自称し、渡辺が手がけるBiSHは「楽器を持たないパンクバンド」のキャッチフレーズで知られている。これまでにないスタイルでシーンに存在感を示すこの2人は今何を考え、どこへ向かおうとしているのか? その音楽活動に対する姿勢についてそれぞれ本音で語ってもらった。

取材・文 / 大山卓也
撮影 / 西槇太一

THE 夏の魔物「シン・マモノボンバイエ EP」
2017年7月12日発売 / VAP
THE 夏の魔物「シン・マモノボンバイエ EP」通常盤

通常盤 [CD]
1944円 / VPCC-82342

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THE 夏の魔物「シン・マモノボンバイエ EP」魔物ガールズ盤

魔物ガールズ盤 [CD]
1944円 / VPCC-82343

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収録曲
  1. シン・魔物BOM-BA-YE ~魂ノ共鳴編~
  2. RNRッッッ!!!
  3. マモノ・アラウンド・ザ・ワールド
  4. ハジメまして
  5. 恋しちゃいなびびっど(※ボーナストラック)

お互い成長したね

渡辺淳之介 ちゃんと会うのはひさしぶりだよね。電話はちょくちょくしてるけど。

成田大致 そうですね。仕事のことで連絡して「最近どうなの?」みたいな話はしてますけど、初めて対談したのはBiSが「夏の魔物」のフェスに初めて出た年だからもう5年前くらいですよね。

成田大致

成田大致

渡辺 うん、だから今日すごく楽しみにしてたんです。でもお互いあの頃からはずいぶん違う人間になったよね、いろいろ乗り越えて(笑)。

成田 俺から見ても、淳之介さんは違う人みたいに見えてます。実際の現場を見てるわけじゃないけど、メンバーとのコミュニケーションの取り方とか、同じ人とは思えない。BiSHを始めてからは特に。

渡辺 そう、めっちゃ努力したの(笑)。以前は、BiSなんかもバカスカメンバー辞めてたけど、今は辞めなくなったしね。

成田 どうやったんですか?

渡辺 あのね、怒んないようにした。

成田 あー、わかります(笑)。俺も最近はメンバーに気を遣うようにしてるんで。

渡辺 え、そんなのやんないタイプでしょ?

渡辺淳之介

渡辺淳之介

成田 いやいや、前までは周りのことに何も気付けてなくて、メンバーの不満とかわかんなかったんです。でも今は爆発する前に気付いてフォローするみたいなことができるようになったんで。

渡辺 以前は「辞めたいメンバーいたら辞めてもいいや」みたいな感じだったじゃん。

成田 辞めてもいいとは思ってなかったけど(笑)、まあ一度辞めたいと思った人に何を言ってもたぶん気持ちは変わらないだろうな、ってすぐにあきらめちゃう感じでしたね。でも今は辞められたら困るし、一緒にやっていきたいって気持ちがすごくある。

渡辺 そこがずいぶん変わったよね。まあ俺は誰でも代わりが利くと思ってるし、やる気がなかったりして悪い空気になるぐらいだったら辞めてもらったほうがいいって思ってるけど。もちろんできれば辞めないでそのままいったほうがいいけどね。

成田 メンバーのモチベーションを上げるためにしてることは何かあるんですか?

渡辺 うん、それこそナタリーのインタビューを受けさせたり、テレビの仕事を入れたりとかはしてる。でもグループが上向きなときは基本的に大丈夫だよね。以前のBiSとかはめっちゃぶつかったりしてたんですけど、今のBiSHもBiSもGANG PARADEも、目に見えて動員が上がってたりとかワンマンが決まってたりするとそれだけでうまくいくから。THE 夏の魔物も今は調子いいんじゃない?

成田 確かに今はグループの状態はいいですね。昔、客が3人しかいないみたいな時期は大変だったけど(笑)。

左から成田大致、渡辺淳之介。

左から成田大致、渡辺淳之介。

渡辺 先の目標が共有できてると大丈夫だよね。だから俺も最近はそういう話をよくするようになった。昔は次に何やるとか一切教えなかったのに。だから最近プー・ルイ(BiS)がびっくりしてるもん。「え、こんなに説明してくれるんですか?」って。

成田 俺もそれはけっこう意識してます。特に女子メンバー3人とはなるべく話すようにしてますね。「最近どう? なんか困ってることない?」って。

渡辺 すごい。お互い成長したね(笑)。

成田 やっぱり俺はTHE 夏の魔物をバンドだと思ってるんで、このメンバーで同じ方向を向いてやれるようにっていうのは常に考えてます。そういうバンドドリームみたいなものに常に憧れがあるんですよね。

音楽がやりたいんだ

渡辺 でもTHE 夏の魔物がやってることを一言で説明するのは難しいよね。今はプロレスやってないんでしょ?

成田 はい、今はライブ中に試合とかはやってないですね。淳之介さんには伝えるタイミングがなくて今初めて言いましたけど(笑)。

渡辺 ホントだよ(笑)。俺プロレスパートのプロデューサー役でライブに出たこともあったのに、なんか呼ばれなくなったなって思ってたらいつのまにか終わってたっていう。だいたい何も言わないんですよ、この人。

左から成田大致、渡辺淳之介。

左から成田大致、渡辺淳之介。

成田 すいません(笑)。

渡辺 説明が足りないのに別にそんなに怒ってない俺がいる(笑)。なぜか成田大致には怒る気しないんだよなあ。でも最近すごく人気出てるよね。

成田 自分がやりたいことってなんだろう……って改めて考えたときに、そもそも音楽がやりたくてバンドを組んだし、自分がしっかり歌いたいんだって気付いたタイミングがあって、そこからは一気に音楽的な方向にシフトチェンジして、それがちょっとずつ浸透してきてるのかなって感じですね。でも俺の場合は過去が過去なんで、今どれだけ真摯に音楽活動してても、その部分がまだまだ伝わらなくて、まず第一声に「頭がおかしい」とか「破天荒」とかそういうことばっかり言われて……。まだちゃんと音楽を聴いてくれるところにさえ立ててない。悔しいなっていうのが最近一番思ってることですね。

渡辺 でも昔は全然人気なかったのに、最近のライブ観たら「あれ? 盛り上がってるじゃん」と思って。バンドの演奏もすごくいいし、音楽をやろうとしてるのは伝わってきた。

成田 そうなんです。でも淳之介さんが思ってたみたいな「ライブ中にプロレスやってる人たちでしょ?」っていう印象と、俺自身がめちゃくちゃだっていう、そのイメージが今でもやっぱり強いみたいで。

左から成田大致、渡辺淳之介。

左から成田大致、渡辺淳之介。

渡辺 俺もずっと言われ続けて来たのは「渡辺淳之介の存在がイヤだからBiSHは聴かない」とか「あいつがプロデュースしてるからBiSはうまくいかない」とか。そういうこと言うヤツは今でもいっぱいいるよ。まあ俺なんか嫌われてナンボだと思ってたからいいんだけど、でも「俺がプロデュースしなきゃあんなクソみたいなやつらが横浜アリーナ行くわけないでしょ」ってのは思う。

成田 あはは(笑)。

渡辺 だから成田くんもそれくらい自信持っていいと思うんだけどね。