ミュージカル「ビューティフル」PR

水樹奈々×平原綾香 ミュージカル「ビューティフル」特集

水樹奈々×平原綾香
ミュージカル「ビューティフル」特集

旧知の2人が語るミュージカルへの思い

7月26日から8月26日まで、東京・帝国劇場でミュージカル「ビューティフル」が上演される。

作曲家として活動を始め、「You've Got a Friend」「It's Too Late」など多くのヒット曲を世に送り出した世界的なシンガーソングライター、キャロル・キングの半生を、彼女の代表曲と共に描いた本作。ミュージカルの本場・アメリカのブロードウェイで2013年に上演され、トニー賞をはじめ数々の賞を受賞した作品が日本に初上陸する。主人公のキャロル役には、ミュージカル初体験の水樹奈々と、2度目のミュージカル出演となる平原綾香。アーティストとして活躍する2人が、波乱万丈なキャロルの人生をダブルキャストで演じる。

音楽ナタリーでは今回、東京都内で行われた製作発表記者会見を終えたばかりの水樹と平原にインタビューを実施。2人の関係性やミュージカルに対する思い、今作にかける意気込みなどを聞いた。さらに特集の後半では、帝国劇場の歴史や館内施設を紹介。またミュージカルになじみのない音楽ファンのために、観劇をするうえでのマナーやルール、帝国劇場ならではの楽しみ方を劇場スタッフに聞いた。

取材・文 / 大橋千夏(P1、2)、近藤隼人(P3)
撮影 / 上山陽介(P1、2)

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帝国劇場 ミュージカル「ビューティフル」
2017年7月26日(水)~8月26日(土)
東京都 帝国劇場
帝国劇場 ミュージカル「ビューティフル」
ストーリー

ニューヨークに住む16歳のキャロル・キング(水樹奈々 / 平原綾香)は、教師になるように勧める母親のジーニー(剣幸)を振り切り、名プロデューサーのドニー・カーシュナー(武田真治)に曲を売り込み作曲家への一歩を踏み出す。やがてキャロルは同じ大学に通うジェリー・ゴフィン(伊礼彼方)と出会い、恋に落ちた2人はパートナーを組んで楽曲を制作。ほどなくしてキャロルは妊娠、結婚した2人は仕事と子育てに奮闘する。

同じ頃2人は、ドニーがプロデュースする新進作曲家と作詞家のコンビ、バリー・マン(中川晃教)とシンシア・ワイル(ソニン)とよき友人となり、互いにしのぎを削り、ヒットチャートの首位を争うようになる。

数々のヒットを放ち、すべてが順調に進んでいるかのように思われたが、ヒット曲を書き続けなければならないという焦燥感からジェリーは精神的に追い詰められるように。キャロルはやり直そうと試みるが、すでに手遅れだった。28歳でシングルマザーとなったキャロルは、くじけることなく人生を切り開いていく。ロサンゼルスへ移住した彼女を待ち受けていたのは、まったく新しい門出だった……。

スタッフ

脚本:ダグラス・マクグラス
音楽・詞:ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング / バリー・マン&シンシア・ワイル
演出:マーク・ブルーニ

キャスト

水樹奈々 / 平原綾香(ダブルキャスト)
中川晃教 / 伊礼彼方 / ソニン / 武田真治 / 剣幸 ほか

稽古始まったらどうなるのかな!?

──製作発表記者会見、お疲れさまでした(参照:最初で最後の競演!? 水樹奈々&平原綾香、名曲を共に歌う)。ダブルキャストが同時にステージに立って歌うという貴重な機会になりましたが、2人で声を合わせた感触はいかがでしたか?

水樹奈々 緊張している中であっと言う間に終わってしまいました! もっと楽しみたかったですね(笑)。

平原綾香 お互い慣れない現場なので、とにかく2人で助け合いました。稽古はこれからなんですけど、その前に皆さんの前で歌わせていただけてうれしかったです。

左から平原綾香、水樹奈々。

左から平原綾香、水樹奈々。

──「You've Got a Friend」の歌い終わりに、一緒に歌っていたキャストの皆さんとお二人が顔を見合わせて笑っていたのが印象的でした。

水樹 皆さん、本番になったらガンガンにフェイクを入れてくるんですよ(笑)。それぞれの個性が爆発してましたし、ノリノリなのが伝わってきて。「初めてのミュージカルがこのメンバーでよかった」と思いました。「これからこのカンパニーはどうなっていくんだろう?」というワクワク感で思わず笑顔になっちゃいましたが、皆さんいい意味でマイペースだし、なんでも受け入れてくれる懐の深さを持っていらっしゃるんです。「自由でいいんだよ!」みたいな(笑)。だから私も探り探りではなく、「思い切っていっちゃえー!」って飛び込めました。まだ稽古前なのに、もうミュージカルのワンシーンがちょっと見えたような感じがありましたよね?

平原 そうそう。皆さん本当に温かい方だから、ほんの数日前に初顔合わせをしたばかりとは思えない空気感でした。音楽をよくすることを一番に考えているメンバーなので、それがチームワークにつながっているのかな。観客の皆様にもそんな空気が伝わったらいいですね。

水樹 熱い人ばかりですよね。歌いながら皆さんが「こんなのどう? こんなのは?」ってどんどん提案してくる感じが楽しいし、心地よくて。「うわー、面白い! これ稽古始まったらどうなるのかな!?」と思いながらのパフォーマンスでした。

2人の親交

──お二人はこれまでも親交があったんですか?

平原 昔から音楽番組では何度も共演させていただいて。もしかしたら、一番共演数が多いのが奈々ちゃんかも。

水樹 一緒に(美空)ひばりさんの曲を歌わせていただいたり、平原さんの名曲「Jupiter」をカバーさせていただいたこともあって。

平原 そうだった!

水樹 確か「Jupiter」を歌わせていただいたときが平原さんとの初共演だったんですけど、当時の私はまだテレビでのパフォーマンス経験が浅く、ものすごく緊張していて。ただでさえテレビの独特な環境に慣れずにドキドキしているのに、そのうえ誰もが知っている平原さんの名曲を歌うなんて……もう、キャロル・キングの曲を歌うのと同じ感じです(笑)。皆さんの頭の中に平原さんの声が流れるところに、どうやって入っていけばいいんだろうと思って。すごく不安だったんですけど、平原さんが「大丈夫だよ」って気さくに話しかけてくれたおかげで緊張がほぐれました。

水樹奈々

水樹奈々

平原 いえいえ……というか私、いつも「奈々ちゃん」って呼んでますけど、実は奈々ちゃんの方がお姉さんなんですよ。

水樹 そう、私は勝手に同い歳くらいだと思ってたんです。

平原 奈々ちゃんはもう今年で芸歴が20年でしょう? すごいなあと思って。私はまだまだ13年だから。

水樹 全然いいんです!(笑) それに舞台に関しては、平原さんのほうが先輩ですから。

──平原さんは2014年に東京・日生劇場で上演されたミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」で初舞台を踏まれています。

平原 1回だけですよ(笑)。

水樹 もう、「よろしくお願いします!」って感じです(笑)。

──旧知の仲のお二人がこのタイミングでミュージカルのダブル主演を飾ることには、不思議な縁を感じますね。

水樹 本当に心強いですよ。ダブルキャストのお相手が平原さんだってわかったときには、心から「よかったー!」って安心しました(笑)。いろんなことを気楽に話し合えると思いますし、現場も楽しくなると思っています。

平原 「ビューティフル」のPV映像の撮影のときも楽しくて。そこでLINEも交換させてもらったりして、歌以外のこともたくさんお話ししたんです。

1泊3日でニューヨーク

──水樹さんはこれまでもさまざまな分野にチャレンジされてきたと思いますが、いつの日かミュージカルの舞台に立つ自分の姿は想像されていた?

水樹 まったく想像してませんでした! あくまでミュージカルは、個人的な趣味として楽しむものだと思っていましたから。

平原 そうなんだ。

水樹 私は幼い頃から演歌を学んできたので、日本語に特化した歌に馴染みが深く、英語は苦手だったんです。でもリスナーとしては洋楽もすごく好きで、海外で上演されているミュージカルもたくさん観てきました。それと、自分の中で演技に対する意識が変わったきっかけがあって、それが9年前から始めた座長公演なんですけど……。

──2008年に閉館前の新宿コマ劇場で座長公演を上演されて以来、水樹さんは定期的に座長公演を行われていますね(参照:水樹奈々、座長公演「大いに唄う」で桃太郎に扮し77人斬りの大立ち回り)。

水樹 はい。そのときに初めて板の上でのお芝居というものを経験して……ミュージカルとは見せ方はまったく違いますけど、本当に楽しかったんですよね。それ以来「もっともっとお芝居を追求していきたいな」というひそかな思いが自分の中に芽生えたんです。だけど「本当にできるんだろうか」っていう葛藤もあって。

平原 じゃあ今回はいいタイミングだったんですね。

平原綾香

平原綾香

水樹 そうなんです。実は過去にもミュージカル出演のオファーをいただいたことがあったんですけど、そのときは一歩踏み出す勇気が出なくて。自分に自信もなかったし……自信は今もないんですけど(笑)。

平原 それが今回、踏み出せたのはなぜだったんでしょう?

水樹 あはは(笑)、急にインタビュアーさんみたいになってる。実は私、このお話をいただく前に、ニューヨークで「ビューティフル」のプレビュー公演(公演初日の前に試演の位置付けで上演されるもの)を観劇したのですが、ハートにぐっと刺さって、ものすごく感動したんです。キャロルが成長していく姿を自分に重ねるところもあったのかもしれません。それに、キャロルはシンガーとしてはもちろん、あの時代に女性が先陣を切って「あなたはそのままでいいんだよ」というメッセージを発信したこともすごいなと思うんです。今でこそ「ありのまま」という言葉はすごくスタンダードですけれど、そんな凜とした姿に心が揺さぶられて、帰国してからも興奮が収まらなくて。いろんな人に「観たほうがいい!」って伝えて回って(笑)、プレビュー公演で手に入らなかったCDもパンフレットも後日取り寄せたりしたんです。

平原 本物に触れているって、すごくうらやましいです。やっぱり映像で観るだけでは、生の空気感はつかみきれないですから。奈々ちゃん、今度また観に行くのよね?

水樹 スケジュールを調整してもらって、1泊3日でニューヨークまで行ってきます(笑)。

平原 私も行きたいなあ。キャストだけで行けたら楽しいよね。

水樹 それ、絶対に面白い!(笑)