sumika「Familia」PR

中島愛

sumika

“家族”だから届けられる、初のフルアルバム

sumikaが7月12日に1stフルアルバム「Familia」をリリースした。本作は「これまでフルアルバムを作ることから逃げていた」というsumikaが、満を持してリリースする作品。片岡健太(Vo, G)が作詞作曲を手がけたナンバーに加え、黒田隼之介(G, Cho)や2016年5月発売の4thミニアルバム「アンサーパレード」から作曲に加わった小川貴之(Key, Cho)によるナンバーも充実している(参照:sumika「アンサーパレード」インタビュー)。

今作で蔦谷好位置、山口寛雄、東出真緒(BIGMAMA)、桑迫陽一、ハヤシベトモノリ(Plus-Tech Squeeze Box)、河原太朗(ampel)、田口恵人(LUCKY TAPES)、鈴木正人(LITTLE CREATURES)といったそうそうたるプロデューサーやミュージシャンを迎え、バンドの新しい一面を見せながらも、これまでの活動を総括したというsumika。音楽ナタリーでは彼らにインタビューを行い、初のフルアルバムについて話を聞いた。なお特集後半にはアルバム参加アーティストからのコメントを掲載する。

取材・文 / 石橋果奈
撮影 / 後藤倫人

sumika「Familia」
2017年7月12日発売 / [NOiD] / murffin discs
sumika「Familia」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
4860円 / NOID-0019

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sumika「Familia」通常盤

通常盤 [CD]
3024円 / NOID-0020

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CD収録曲
  1. Answer
  2. 春風
  3. Lovers
  4. KOKYU
  5. Someday
  6. アネモネ
  7. ここから見える景色
  8. ピカソからの宅急便(Instrumental)
  9. MAGIC
  10. アイデンティティ
  11. Summer Vacation
  12. まいった
  13. 「伝言歌」
  14. Door
初回限定盤DVD収録内容

sumika「SALLY e.p」Release Tour Final@Zepp DiverCity TOKYO

  • Lovers
  • ソーダ
  • カルチャーショッカー
  • MAGIC
  • 1.2.3..4.5.6
  • sara
  • まいった
  • 知らない誰か
  • リグレット
  • リフレイン
  • グライダースライダー
  • チェスターコパーポット
  • マイリッチサマーブルース
  • ふっかつのじゅもん
  • オレンジ
  • 雨天決行
  • 「伝言歌」

アンサンブルとは何か、だんだんわかってきた!

──「Familia」を聴かせていただいて、遊び心のある本当に楽しいアルバムだなと。しかも大人の遊び方というか、これまでよりアダルトなsumikaを感じました。

片岡健太(Vo, G) 確かに、昔はただ音をどんどん足していってカオスになっちゃってた部分があったんですけど、引き算の遊び方を覚えて、余白の使い方がわかるようになりました。その空いたスペースには、4人以外のゲストメンバーの音を入れようって。

──sumikaは2016年3月発売の両A面シングル「Lovers / 『伝言歌』」で初めてストリングスを導入して、それ以降の作品にはメンバー4人のパート以外の楽器も多用しています。

黒田隼之介(G, Cho) 「Lovers」辺りから、音に対する意識が変わっていきましたね。

片岡 僕が2015年に体調不良で休養していて、バンドに復帰するとき「今一度、アンサンブルとは何か考えよう」ってみんなで話し合ったんです。「Lovers」は復帰後、そして小川(貴之 / Key, Cho)くんが加入してから初めての音源なので、ピアノを立たせるためにどう音作りをしていったらいいかっていうのを、手探りしながら進めていって。音に対する話し合いを続ける中、「アンサーパレード」(2016年5月発売の4thミニアルバム)、「SALLY e.p」(2016年12月発売の4曲入りCD)、「Dress Farm #3」(2017年5月発売の3rdシングル)と、「Lovers / 『伝言歌』」を含めて4作経ているので……。

片岡健太(Vo, G)

片岡健太(Vo, G)

黒田 だんだんわかってきた!(笑) コツをつかんで来た感があります。

小川貴之(Key, Cho) 毎回新しい作品の制作をするときに、みんなで前作の振り返りをしていて。チャレンジしたいことを提示しながら進んでいるのが形になってきましたね。

片岡 さらに今回はその曲のイメージや歌詞の世界観、「聴いたあとにこういう感情になってほしい」っていう思いも話して、4人で全曲同じ景色を共有したうえでアレンジ作業を進めていったんです。

収録するのをためらってしまうような曲

──「全曲同じ景色を共有した」ということですが、確かに今作は楽曲ごとにキャラが立っていて、世界観が伝わりやすいなと思いました。そのキャラの強さは、そうそうたるプロデューサーやミュージシャンが参加していることも大きく関係していると思うのですが、いい意味でやりたい放題やってるなと。

片岡 まさにそうですね(笑)。

荒井智之(Dr, Cho) フルアルバムだから新しいことにチャレンジできたっていうのも大きいと思います。ミニアルバムやシングルではなかなか収録するのをためらってしまうような曲も、フルアルバムならsumikaの新しい魅力として捉えてもらえるだろうって。

荒井智之(Dr, Cho)

荒井智之(Dr, Cho)

──ためらった曲というのは、「KOKYU」とか?

一同 あはははは(笑)。

片岡 「KOKYU」や「Someday」辺りですね(笑)。もしこの曲たちをシングルの表題曲にして「sumikaです」って伝えるとなると、ちょっと語弊があるし。さすがにこれまで応援してくれてる方々のことも考えていくんで……。

小川 大人ですから!(笑)

片岡 そこはちゃんと理性が働く部分もありつつ、「sumikaとはこういうものである」っていうのを余すことなく伝えるにはどうしたらいいかを考えていって。曲数が多いから、今までやってきた部分をちゃんと肯定しながらも、裏切る部分は裏切るっていうバランスにしたかったんです。

“蔦谷節”から学んだこと

──では楽曲について収録順に聞かせてください。1曲目「Answer」は蔦谷好位置さんがプロデュースした華やかなショートチューンです。sumikaが作品にプロデューサーを迎えるのは初めてですが、蔦谷さんに参加してもらおうと思った理由は?

片岡 僕らは個々のバンド歴が長いので、ギター、ベース、ドラムで成立させる音はすぐにイメージできるんですけど、どうしたらピアノやストリングス、ホーンの音が立つのか、まだ見えない部分があったんです。蔦谷さんが携わった作品のアレンジを聴いたときに、このタイミングでご一緒できたら、sumikaはいち音楽家としてもっと成長できるだろうなって思いました。

──実際にご一緒してみて、いかがでしたか?

小川 自分たちの楽曲の中で「こういうアプローチをするんだ」って学ぶのが初めての経験だったし、発見だらけで。リズムもメロディの作り方も、音程の組み込み方も僕たちとは全部違って、ホントに新鮮でした。

荒井 ドラムのレコーディングが終わって、そのあと弦が入ってきたときに「なるほど! あのとき蔦谷さんが言っていたのはこういうことだったのか」っていう気付きがあって。最初の段階で完成図が見えているというか、鮮明に描かれている音像があるんだろうなっていうのがあとになってわかりました。

片岡 それでいて、レコーディングの空気感を常によくしてくださる方なんです。「みんなが楽しくやれるように」っていうことだけを考えて現場を作ってくださったんですよ。(スマートフォンの画面を見せながら)これ、レコーディングが終わった数時間後の蔦谷さんのツイートなんですけど、うれしくて震えました。リンクしといてください(笑)。

最短距離で音楽人生の答えを出す

──「Answer」というタイトルは、最新ミニアルバム「アンサーパレード」とつながっているんですか?

片岡 それ……3日前ぐらいに気付いたんですよ。

──え!

小川 この人、そうらしいですよ?(笑)

小川貴之(Key, Cho)

小川貴之(Key, Cho)

片岡 「アンサーパレード」は「作品全体を通して答えを出す」っていう意味でタイトルを付けたんですが、今回の「Answer」のテーマは「最短距離で自分の音楽人生の答えを出す」なんです。

──大きなテーマですね。最短距離だから、82秒間のショートチューンにしたと。

片岡 すごいテーマですけど、フルアルバムを作るってそういうことだろうって。ここまで1stフルアルバムを作らずに、引っ張ってきたからこそ、自分の中でハードルが上がってたんです。だから実は制作の最後のほうまで、アルバムの1曲目が不在で。誠意が伝わるような曲を1曲目に据えたかったから。

──歌詞には「言葉にならんね 帯に短し襷に長し どれも心と=ではないものね」という一節があります。片岡さんは5月に行われたsumika[camp session]の東京・Billboard Live TOKYO公演で「言葉と心」を演奏する際にも、「言葉と心がイコールにならない」と言ってましたね(参照:sumika[camp session]“ド平日”に向けて奏でた初のビルボード東京公演)。

片岡 以前も同じテーマで曲を書いてはいたんですけど、2017年現在の片岡健太の中にある「言葉と心」がなんであるかってことを、このチームで今一度考えたいなと思って。過去のテーマを引っ張り出してきて、sumikaを組む前のバンドのことも考えながら、音楽人生の答えを全部出すぞっていう。

──その答えは、ラスト1行に出てますね。

片岡 はい。言葉にならないのであれば、歌と詞に変えようっていうのが僕の答えです。