PELICAN FANCLUB「Home Electronics」PR

エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)×菅波栄純(THE BACK HORN)

エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)×菅波栄純(THE BACK HORN)

泣ける歌モノを追求する貪欲な2人

PELICAN FANCLUBが1stフルアルバム「Home Electronics」を完成させた。

「Home Electronics」はPELICAN FANCLUBが“今までにない制作の仕方や音の選び方”をして作り上げた1枚。アルバムのために書き下ろした新曲12曲は粒ぞろいで、PELICAN FANCLUBの名刺代わりとなりそうな作品だ。

音楽ナタリーでは彼らの所属事務所の先輩にあたる菅波栄純(THE BACK HORN)との対談を企画。異なるアプローチでロックファンを魅了する2組の対談では、それぞれの音楽の原点や歌詞を書くうえで大事にしていることなど、お互いが気になることについて自由に話してもらった。

取材・文 / 清本千尋
撮影 / 後藤倫人

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PELICAN FANCLUB「Home Electronics」
2017年5月10日発売 / DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT
PELICAN FANCLUB「Home Electronics」

[CD]
2808円 / UKDZ-0183

Amazon.co.jp

収録曲
  1. 深呼吸
  2. Night Diver
  3. Luna Lunatic
  4. Black Beauty
  5. You're my sunshine
  6. 夜の高速
  7. ダダガー・ダンダント
  8. 許されない冗談
  9. Trash Trace
  10. 花束
  11. 朝の次へ
  12. Esper
「Home Electronics / PELICAN FANCLUB」
「Home Electronics / PELICAN FANCLUB」

iOS向けアプリ
480円

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ペリカンはハイブリッド世代

──PELICAN FANCLUBもTHE BACK HORNもSPEEDSTAR MUSIC所属で、その縁があって今回対談することとなりました。お二人が出会ったのはいつ頃なんでしょうか?

エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB) 2015年に名古屋のサーキットイベント「SAKAE SP-RING」に出演したときですね。DIAMOND HALLでバックホーンがライブをやってて、それが終わって楽屋に挨拶に行きました。

菅波栄純(THE BACK HORN) そうだったね。俺がPELICAN FANCLUBを知ったのは「Dali」のミュージックビデオ。観たときに「うわ、これスゲーの出てきたな」と思ったんですよ。

──具体的にはどのあたりがすごいと思ったんですか?

菅波 基本的には歌モノなんだけど、明らかに俺らの世代の歌モノの感じと違ったから。エンドウたちの世代の歌モノは明らかに歌が立ってるのにサウンドは洋楽的。俺らの世代だと、歌モノは歌謡曲っぽく、洋楽っぽいのは洋楽らしくやるのが普通だったので、その2つが自然に融合してて、新しい世代が来たんだなと思いましたね。ペリカンたちの少し上の世代は洋楽に振り切った音楽をやるバンドが多かったんですよ。そこから歌モノへ回帰しかけてる感じというか、そのハイブリッド感が面白かったんですよね。

エンドウ 言われてみると僕らの世代は「何かと何かを混ぜて新しいジャンルの音楽にする」みたいなことをやってるバンドが多いかもしれないです。例えばネバヤン(never young beach)なんかは明らかにフォークっぽい歌なのにサウンドは洋楽的で、僕らの世代を象徴するようなバンドだと思います。その一方で洋楽と聴き間違えてしまうようなDYGLとかyahyelみたいなバンドも出てきていて、僕らの世代はいろんなバンドがいて面白いんですよね。

エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)

エンドウアンリ(PELICAN FANCLUB)

菅波 そうだね。俺らからするとそれがすごく新鮮に感じる。PELICAN FANCLUBの歌とサウンドのバランスは「Dali」が入ってた「PELICAN FANCLUB」っていうアルバムの時点で完成してた感じがするんだよね。頭3曲聴いたら「俺らの世代と違ったことをやろうとしてるんだな」っていうのがすごい伝わってくるような構成になっていて。

エンドウ ありがとうございます。でも今はその頃よりももっと歌を届けたいなって思うんですよ。バックホーンの曲に対する歌の比重はまさに理想で、歌を軸にしてギター、ベース、ドラムが突き刺さってくるような、そういうサウンドに影響を受けてきた世代なのでずっと憧れています。

菅波 うれしいね。バックホーンは「俺らは歌モノだ」っていうのを意識して曲作ってきたと思ってるから。

恥ずかしいけど歌いたい気持ち

エンドウ 自分もなんですけど、思春期に聴いた音楽をきっかけにバンドを始める人が多いと思うんです。僕の場合はBUMP OF CHICKENから入りましたけど、もちろんバックホーンも聴いていたし、そういうものから影響を受けて音楽を始めて、活動を続けていく内にいろんな音楽と出会って、歌モノじゃない音楽も知って。いろんな音楽を聴くし、好きだけど、自分がやるとなったら結局行き着くものはルーツにある歌モノなんです。だから歌モノでいたいというのはPELICAN FANCLUBの軸としてあるものですね。

菅波 やっぱり日本のポピュラーミュージックっていうのは歌モノだからね。俺は子供の頃からなじみがあって体に染み付いている音楽を無理に取り払う必要はないと思っていて。小学生の頃から歌が大好きだったんだよね、思い返せば。音楽の授業で配られる「みんなのうた」(童謡から近年のJ-POPまで収録された歌集)に載ってた歌を歌うのが、ちょっと恥ずかしいんだけど好きだったの。思春期に洋楽を聴き始めて、「音楽って歌と伴奏だけじゃないんだ」「ノイズギターってカッコいいな」って知って。で、その両方の気に入ったところが自然と混ざっていったのが俺が書く曲。

エンドウ 僕も音楽の授業で誰にも負けないぐらい大きい声で歌ってましたね。あの頃から歌が好きだったのかもしれない。でもなんか恥ずかしくて、歌集で口元を隠して歌ってましたね。

菅波 恥ずかしいけど歌いたいみたいな気持ち、あるよな。俺、音楽の授業で一生懸命歌ってるのを見て、合唱部に勧誘されたもん。

エンドウ それで合唱部には入ったんですか?

菅波 入ったよ。俺らの学校の合唱部は部員が少なくて、大会の時期の少し前に男声パートを強化するために勧誘する風習があったんだよね。それで呼ばれて行ったら、クラスで一番かわいい子が合唱部だったことが判明して(笑)。もうね、今までにないくらいでっかい声でホントに一生懸命歌った。数カ月しかいなかったけど、大会で負けたとき悔しくて泣いたもん。

菅波栄純(THE BACK HORN)

菅波栄純(THE BACK HORN)

エンドウ めちゃくちゃ青春したんですね。それは小学生のときですか?

菅波 いや、合唱部に入ったのは中学生のとき。めちゃくちゃ青春したねえ。

エンドウ そのとき、バンドはやっていたんですか?

菅波 まだ。歌詞は書いていたけど。なんか、メロディを作るっていうのはおしゃれな感じがするけど、歌詞書き始めたらちょっとポエマーじゃん。だから恥ずかしくてしばらく隠してたんだよね。あとね、並行してマンガを描いたりもしてたよ。

エンドウ 僕も中学に入って歌詞を書くようになったけど周りには言わなかったです。たまにちょっとふざけた詞とかをみんなに見せたりはしていました。

菅波 わかるわー。本気のやつはちょっと出せないよね。俺、小学生の頃は「ハンバーグの歌」とかかわいらしい感じのタイトルの歌詞だったんだけど、中学に入ってからは「お葬式」っていうのも書いたな。

エンドウ でもなんか「お葬式」ってバックホーンっぽいですよ(笑)。

菅波 確かに(笑)。今につながってるかもしれない。