LOVE PSYCHEDELICO「LOVE YOUR LOVE」PR

LOVE PSYCHEDELICO

LOVE PSYCHEDELICO

結成20年の2人が開けた新しい扉

LOVE PSYCHEDELICOが4年3カ月ぶりのオリジナルアルバム「LOVE YOUR LOVE」をリリースした。

デビュー以来旧知のミュージシャンたちと良質なロックを生み出してきたLOVE PSYCHEDELICOだが、初めて自分たちでミックスを手がけるなど新しい試みを取り入れている。結成20周年を経て、新たな扉を開けたというKUMI(Vo, G, Key)とNAOKI(G)s。待望のアルバムを完成させた2人に、制作の舞台裏を聞いた。

取材・文 / 大谷隆之
撮影 / 吉場正和

LOVE PSYCHEDELICO「LOVE YOUR LOVE」
2017年7月5日発売 / SPEEDSTAR RECORDS
LOVE PSYCHEDELICO「LOVE YOUR LOVE」初回限定盤

初回限定盤 [CD2枚組]
3780円 / VIZL-1176

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LOVE PSYCHEDELICO「LOVE YOUR LOVE」通常盤

通常盤 [CD]
3240円 / VICL-64802

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CD収録曲

DISC 1

  1. Might Fall In Love
  2. Feel My Desire
  3. Birdie
  4. This Moment
  5. 1 2 3
  6. Good Times, Bad Times
  7. You'll Find Out
  8. Rain Parade
  9. Beautiful Lie
  10. C'mon, It's My Life (Album Mix)
  11. Love Is All Around
  12. Place Of Love
  13. No Wonder
初回限定盤CD収録曲

DISC 2

  1. 1 2 3 (Demo Acoustic Version)
  2. Love Is All Around (Demo Acoustic Version)
  3. Birdie (Demo Acoustic Version)
  4. Place Of Love (Demo Acoustic Version)

そろそろ新しい曲、欲しいなあ

──前作「IN THIS BEAUTIFUL WORLD」から、実に4年3カ月ぶりのニューアルバムですね。

NAOKI(G) 2人共マイペースだから(笑)。ただ、2015年にはベスト盤を2枚同時にリリースしたので、途中その準備が挟まったのは大きかった気がするよね。マスタリングは、友人のジョー・ガストワート(ジミ・ヘンドリックス、Grateful Deadらの作品を手がけたエンジニア)にお願いして、全曲マスタリングし直したし。リリース後には高橋幸宏さんにドラマーで入っていただいてツアーにも出たから、しばらくはその準備にも没頭していたし……。

LOVE PSYCHEDELICO

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KUMI(Vo, G, Key) たぶん、同時進行で何かをするのが苦手なんだろうね。

NAOKI ていうか、できない(笑)。

KUMI そのとき自分たちが、本当にやりたいことをやるのが基本。「前作から2年経ったから、そろそろ次を出さなきゃ」とか、そういうふうには考えてない。

NAOKI その意味では一昨年、ベスト盤のツアーに出て、昔の楽曲をたっぷり演奏したのは大きかったかもしれないね。2人共、そのセットリストをすごく楽しみつつ、「やっぱ新曲あったほうが燃えるよなあ」と強く感じたので。

KUMI うん。「そろそろ新しい曲、欲しいなあ」って、自然な流れで。

レトロな音楽を作りたいわけじゃない

──具体的に作業をスタートさせたのは、いつ頃でした?

KUMI アルバムとして制作に入ったのは、ちょうど1年くらい前かな。その前にも単発で曲のリリースはあったんですけど。

──2014年の「Good Times, Bad Times」、2015年の「Love Is All Around」、そして昨年の「This Moment」「C'mon, It's My Life」ですね。今回その4曲も収録されたアルバム全体を通して聴いてみると、曲が粒ぞろいなのはもちろん、とにかく音像がフレッシュだと感じました。

KUMI あ、ホントに?

──はい。アナログっぽい手触りや温かさはちゃんと保ちつつ、ディテールはクリアと言うか。とりわけボーカルの輪郭がくっきり立っていて、よくあるビンテージ“風”のサウンドとは完全に一線を画しているなと。

NAOKI それはうれしいね!

──たぶんデリコの「いい曲を、いい音で」という基本姿勢は、結成当初から変わってないと思うんです。でも、その時々で2人が抱く“いい曲”“いい音”のイメージは、やはり微妙に変化していくわけですよね。

NAOKI うん。僕らのやり方って、例えばライブみたいに日々の音楽体験で感じとった何かを、次の日にスタジオで形にしてみるみたいな、すごくシンプルなアプローチなので。もちろんベーシックな趣味とか好みはあるけど、曲の作りやサウンドへの意識は少しずつ変化してると思う。

KUMI クラシックなロックは大好きだけど、自分たちがレトロな音楽を作りたいわけじゃないからね。温もりがあってずっと聴いていたいような、優しいサウンドにしたいとは常に思っているけれど……。

KUMI(Vo, G, Key)

KUMI(Vo, G, Key)

NAOKI アナログな質感はすごく大事。でも同時に、例えばラジオでかかったとき現在進行形の音楽だとパッとわかる“何か”もやはり大切だと思うんです。レンジが広く、低域から高音までしっかり詰まっていて。でも決して耳に痛くないサウンド。KUMIも僕もそこは常に意識してますね。

KUMI そうだね。例えるなら額縁が広くて、全体に余裕のある音。

NAOKI 曲の面で言うと前作「IN THIS BEAUTIFUL WORLD」を発表したあと、2014年に「TWO OF US」という2人だけのアコースティックライブを始めたんです。新作を作るうえで、あの経験はすごく大きかったと思う。

あ、新しい扉が開いた!

──「TWO OF US」ツアーはデリコにとって初の試みでしたよね。

NAOKI うん。僕らは長い間、ステージもスタジオの作業もずっと同じ仲間と続けていたんです。彼らがいなければデリコの音は鳴らせないと考えていた。と言うか実際は考えるまでもなく、それが当然の日常だった。

KUMI メンバーの日程がそろわないと、ライブをやらなかったり。そのくらいこだわりが強かったんですよね。

NAOKI でも、1つのバンドを長く続けてると、自分の中にどこか甘えも出てくるんですよ。気心は知れてるし、みんな素晴らしいミュージシャンだから。僕が何も考えてなくても、スタジオに行って音を鳴らせばとりあえず形になってしまう。まあ、これは素晴らしいことなんだけど。

KUMI で、だんだん「それはどうだろう」って感じるようになって。バンドという形態を一旦フラットに戻して、2人だけで何ができるか試してみたのが、2014年以降の「TWO OF US」だったわけ。

──それによって、どういった変化が生じましたか?

NAOKI 一番大きかったのは、お互いのギターの音をすごく注意深く聴くようになったことかな。アコースティックライブは、どうしたってアコギ2本とKUMIの歌だけでショーを完結させなきゃいけないでしょう。「TWO OF US」で改めてそういうシンプルさに立ち返れた経験は、今回のアルバムにも結果的に強く反映されていると思う。曲作りの面でも、サウンドの面でも。

NAOKI(G)

NAOKI(G)

KUMI 曲の構造がそうだもんね。根っこの部分がシンプルって言うか。

──ソングライティングでも、デリコの初期のスタイルに回帰した?

NAOKI 言葉で説明するのがちょっと難しいんですけど……楽曲を作るとき頭の中で最初からバンドサウンドを思い描くんじゃなくて。曲の一番核となる部分で、必ず2人の音が鳴っている感覚。そのうえで、例えば「この楽曲にはこういうドラムが合うんじゃない?」とか、ここの余白にオルガンを入れたらどうだろう」みたいに、必要なものを足していく。そうやって2人だけで構成する作り方に変わりました。

KUMI そう言えば「Good Times, Bad Times」を書いたのも、ちょうど2人でアコースティックライブを始めた前後だったよね。2013年に前のアルバムをリリースして以降、初めて書いた曲だったんですけど。思えばあれが完成した時点で「あ、新しい扉が開いた!」って感覚はありました。