BRAHMAN「不倶戴天 -フグタイテン-」PR

BRAHMAN

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TOSHI-LOWが語る“怒り”の先にあるもの

BRAHMANが4月12日にニューシングル「不倶戴天 -フグタイテン-」をリリースする。

約1年9カ月ぶりのシングルとなる本作のタイトルに冠した「不倶戴天」とは、「共にこの世に生きられない、また、生かしてはおかないと思うほど恨み・怒りの深いこと。また、その間柄」(小学館「デジタル大辞泉」より)という意味を持つ言葉。タイトル曲のほかILL-BOSSTINO(THA BLUE HERB)をフィーチャリングゲストに迎えた「ラストダンス」、そして「怒涛の彼方」の3曲が収録されている。

インパクトに満ちた激しい言葉をタイトルにしたこのシングルには、結成23年目を迎えたBRAHMANのモードが十分に反映されている。彼らが描いた楽曲の世界について、TOSHI-LOW(Vo)に話を聞いた。

取材・文 / 高橋美穂
撮影 / 西槇太一

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BRAHMAN「不倶戴天 -フグタイテン-」
2017年4月12日発売 / TOY'S FACTORY
BRAHMAN「不倶戴天 -フグタイテン-」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
1800円 / TFCC-89614

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BRAHMAN「不倶戴天 -フグタイテン-」通常盤

通常盤 [CD]
1200円 / TFCC-89615

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CD収録曲
  1. 不倶戴天
  2. ラストダンス featuring ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB)
  3. 怒涛の彼方
初回限定盤DVD収録内容

BRAHMAN 2016 BEST MOMENTS

  1. 賽の河原 / 百万石音楽祭 2016~ミリオンロックフェスティバル~
  2. BASIS / RUSH BALL 2016
  3. SEE OFF / KESEN ROCK FESTIVAL '16
  4. BEYOND THE MOUNTAIN / MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!! 16
  5. ARRIVAL TIME / AIR JAM 2016
  6. ANSWER FOR... / 茨城県常総市災害復興支援イベント「Dappe Rock's」
  7. 警醒 / MIYAKO ISLAND ROCK FESTIVAL 2016
  8. PLACEBO / ARABAKI ROCK FEST.16
  9. 鼎の問 / 風とロック芋煮会 2016 KAZETOROCK IMONY WORLD
  10. THE ONLY WAY / RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO

溜まっているものがあるからバンドをやっている

──まず「不倶戴天」というタイトルの字面と意味に圧倒されます。この言葉との出会いは?

俺らはギリ暴走族がカッコよかった世代なので、こういう言葉にも最近出会ったわけではなくて。いわゆる特攻服に刺繍するような用語だから。かと言って、厳密には俺は囲まれてたけどそのジャンルの人間ではないけど(笑)。これ、自分でギターを弾いて、自分のイメージ通りにパッと作った曲なんだよ。そこに歌詞を乗せてみたら曲が強くて、特攻服の刺繍になるくらいのインパクトがあるタイトルじゃないと釣り合わなくて。「ありがとう」とか「母子手帳」とかっていうタイトルじゃないな、と。

──(笑)。もともと知っていた言葉を思い出したと。

強い歌詞や曲に対する、タイトルの強さも必要だしね。俺らはパンクっていうジャンルにはいたけれど、もともとはそれを前面に出していたわけじゃなくて、多面性があったと言うか。でもこの曲はハードと言うか、固いものだった。だから自分の中の気になる言葉のストックから初めて「この皿なら、これ乗るんじゃないの?」って出してみたの。

TOSHI-LOW(Vo)

TOSHI-LOW(Vo)

──骨組みはパッと出てきたっておっしゃってましたけど。

自分でギター弾いて、ワッてやったからか「ドラムはこんな感じでワッてやってほしいし、ベースもギターもこんな感じで」ってパッパッとできていって。熱量を早く曲にできたかなと。熱くなってるものでも、いろんな作業をするうちに冷めちゃうでしょ。寝かすことでよくなる曲もあるけど。

──TOSHI-LOWさんの中に溜まっているものがあったからこそ、パッパッと熱量が高いものが出てきたのかな、と思いますが、どうですか?

溜まっているものがずっとあるからバンドをやっているわけで。俺はフラストレーションが強い人間だと思うし、そのはけ口がバンドや歌になっているから。だけど、やっぱなんでもいいわけじゃなくてさ、それがこの曲には強く出てると思う。拳を作ってウオー!っていうことをしないで、違う強さを出そうとした頃もあったんだけど、自分から素直に出てきたものにみんなにも合わせてもらって、「いっせーのせ」で鳴らしてウオー!ってなった、そういう感じのものじゃないかな、今回は。

──溜まっているものはずっとあるけれど、出し方が変わってきたという。

大人になってフラストレーションがなくなっちゃう人もいるけど、それを俺は延々抱えてるから。

怒りだけでは生き切れない

──でもこの曲は青いだけじゃないですよね。

そりゃそうだよ。今、一方的に「あいつが悪い、殺せ」みたいな話しかしてなかったら子供だよね。そういう強さもあると思うし、それはそれでいいと思う、子供はね。大人は違うじゃん。いろんなことをわかったうえで「だけど腹立ってんだよ」っていう。相手に言ってることもすべて自分に回ってくるし、そういう状況の中で書くとしたら、大人として書かなかったら意味がない。だから、そんな言葉を背負ってても、10代が無免許運転で走ってるのとは違う。免許あるヤツが走ってるわけよ。

TOSHI-LOW(Vo)

TOSHI-LOW(Vo)

──最後「赦す」という結末になっていくところは、器の大きさを感じますし、大人ならではだと思いました。

最終的にポップに聞こえるしね。

──そうなんですよね。

ハードコアポップス(笑)。

──確かに(笑)。包み込まれる感覚もある曲なので、ポップスの体をなしていると思います。でも「不倶戴天」って、相当な恨みつらみがこもっている言葉ですよね。

俺みたいな短絡的な人間じゃなくても、一瞬でもそういう怒りにかられることはあると思うんだよ。通勤途中でも街中でも。そこで踏み外してしまうとさ、塀の中に行かなきゃいけない。怒りって悪いものにもなるし、逆に、「見返してやる」って思わせるような着火剤にもなる。でも怒りだけでは生き切れないんだよ、大人になるとそれがわかるわけ。子供のときは「怒りをもっとくれよ、それで俺たちは表現もできるし、全部ぶっ殺してやる」ってなっていたけど、今は、怒りだけを燃料には進んではいけないことがわかっている。そういうときが来る、生きていれば。だって怒りだけでやっていると自滅するし。かと言って怒りは大事じゃないとは思わない。だから、自分の中にあるものを素直に出すことによって、怒りを曲に昇華するんじゃないのっていう。