Base Ball Bear「光源」PR

Base Ball Bear

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3人になったBase Ball Bearが放つ“青春”

初武道館のステージが「思っていたのと違う」

──そして、Base Ball Bearの歌ってきた青春は、決してキラキラしたものではなかった。

そうです。その当時は完全に暗黒時代で、教室にいたくないし、学校にいたくないし、学校のことを考えるのも嫌だった。自分にとって音楽はそこからの逃避で、学校でも家でもない、下北沢のライブハウスとか、そういうどっちでもない場所になるべくいたかった。それ以外の時間は妄想でもするしかなかった。その頃の曲をよく「甘酸っぱい」とか言われるんですけど、実際は全然具体的な風景とか歌ってないし、青春のリアリティみたいなものは歌ってなかった。だから、青春っていうのはまず自分のコンプレックスとしてあったんです。

小出祐介(Vo, G)

小出祐介(Vo, G)

──なるほど。

ただ、同時に青春の恩恵も受けてきていて。それはつまり、“青春の万能感”みたいなものですね。学校が嫌いすぎて「お前ら全員死ね」って思っている、そういうエネルギー。そのすさまじい呪いのエネルギーによって、最初の武道館公演(2010年)まで走り抜けていった。それが、25歳くらいまで続いて来た。

──そこまで怒涛の勢いでしたよね。

「お前ら全員見返してやる!」って気持ちで、そこまでは来た。でも、その武道館公演で大きな挫折をするんです。ライブがよかったとかよくなかったとかとは別の意味で、実際に武道館のステージに立ってみて「思っていたのと違う」となってしまった。

──それはお客さんとの温度差みたいなことですか?

うーん、これはうまく言えないんですけど、1つはっきり言えるのは、「武道館をちゃんと鳴らせてないんじゃないか」っていう感覚。まあ、力不足だったってことですよね。終わったあと、パッと見は打ち上がっているんですけど(笑)、全然達成感のないまま、腑に落ちない、どんよりとした気持ちでステージを終えてしまった。あれは自分にとって、“青春の万能感”の終わりでした。青春の確率変動がそこで終わって、そこから「二十九歳」(2014年リリースのフルアルバム)までは、青春の歌というより、自分探しをしていく過程で青春についても歌うような感じになっていったんです。実際、青春について直接的に歌った曲も少なくなってきていましたしね。

青春時代は自分にとって“未解決事件”のようなもの

──バンドって、デビューしてから最初の3年くらいのイメージをどうしてもずっと引きずってしまいますよね。

そうそう。ただ、その青春が前作の「C2」を作っている中で突然、再出現して。具体的には「どうしよう」とか「不思議な夜」とか、そういう曲ですけど。「それはどうしてなんだろう?」ってずっと考えていたんですけど、今回の「光源」を作っていてわかったのは、やっと自分にとって青春というものをコンプレックスでもなく、呪いでもなく、自分探しでもなく、ちゃんと対象化することができるようになったんだなって。それは高校時代のことだけじゃなくて、デビューしてから“青春の万能感”のまま突っ走って武道館のステージにまで立ってしまったことについても、どこかでずっと負い目のようなものを感じていた。それをようやく認めることができた。

──そして、その負い目を解消することができた?

そうなのかな? 確かに10年やってきて、バンドの地肩も付いてきて、青春時代を対象化することができるようになった。でも、それはあえて言葉にすると“未解決事件”みたいなものですね。

──未解決事件?

「あのとき、まだ何かあったんじゃないか?」という思いというか。

──「何か大事なことを見落としていたかもしれない」ってことですか?

はい。そういう思いがずっと残っているんですよ。でも、それって、現実的にはもう解決しようがないことで。

小出祐介(Vo, G)

小出祐介(Vo, G)

──事件としてはもう時効で、迷宮入りしている。

そう、とっくに迷宮入りしている(笑)。例えば「当時大嫌いだったクラスメイト、その全員と和解ができたら」とか。絶対無理だし、それによって今、何かが解決するわけでもないし。考えても考えても解決できない、でも考えてしまうこと、触ろうとしてしまうこと、それが今の自分にとって創作の根源、感性の源になっているんだろうなって。

時間という距離を置いたら見えてくること

──小出さんにとって青春は、そこまで大きなものなんですね。

青春について考えるってことは、つまり時間について考えることなんですよ。高校を卒業してから2年や3年じゃ見えなかったことが、15年くらい経った今、時間という距離を置いたら見えてくることがある。時々、時間って神様なんじゃないかなって思うんですよ。

──「時間は神様」。すごい言葉だな。

すべてを解決に導いてくれたり、すべてをぶち壊したり。その時間を捉えようとすることで、物事の本質、真実のようなものが見えてくる。

──そうですよね。まさに、神様みたいなものだ。

はい。で、その神様にアクセスする入り口が、自分にとっては青春ってことなんじゃないかなって。本質や真実みたいなことを歌にするうえで、自分にとって一番しっくりくるのが、青春をテーマにすることなんじゃないかなって。説明が長くなりましたけど(笑)、今回の「光源」で歌っている青春がそれまでのものと違うとしたら、そのことに気付いたからだと思います。

Base Ball Bear「光源」
2017年4月12日発売 / EMI RECORDS
中島愛「光源」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3780円 / UPCH-29252

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中島愛「光源」通常盤

通常盤 [CD]
3000円 / UPCH-20448

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CD収録曲
  1. すべては君のせいで
  2. 逆バタフライ・エフェクト
  3. Low way
  4. (LIKE A)TRANSFER GIRL
  5. 寛解
  6. SHINE
  7. リアリティーズ
  8. Darling
初回限定盤DVD収録内容
  • "COUNTDOWN JAPAN 16/17" at GALAXY STAGE 2016.12.31
  • Tour「バンドBのすべて 2016-2017」ドキュメント