アカシック

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理姫&バンビ、「ラブホの上野さん」の中の人に会う

アカシックが初のシングルとして、FODとフジテレビで放送中のドラマ「ラブホの上野さん」の主題歌「愛×Happy×クレイジー」をリリースした。このドラマは、Twitterで話題のラブホテル従業員・上野が原案を務める同名マンガを実写化したもの。恋と性の悩みを抱える男の前にラブホテルのスタッフである上野さんが現れ、女性を誘う方法などをレクチャーするという内容のコメディだ。

音楽ナタリーでは今回、アカシックの理姫(Vo)&バンビ(B)と上野による対談を実施。恋愛へのスタンスがまったく異なる理姫とバンビのそれぞれに対し、恋愛相談のカリスマである上野から論理的にアドバイスをしてもらった。

取材・文 / 橋本尚平
撮影 / 捧邦明

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アカシック「愛×Happy×クレイジー」
2017年3月8日発売 / unBORDE / Warner Music Japan
「愛×Happy×クレイジー」初回限定盤
初回限定盤 [CD]
1296円 / WPCL-13528
「愛×Happy×クレイジー」通常盤
通常盤 [CD]
1080円 / WPCL-13529
収録内容
初回限定盤収録曲
  1. 愛×Happy×クレイジー
  2. 幸せじゃないから死ねない(single ver.)
  3. 福富朝陽
  4. 平成へゴー!
通常盤収録曲
  1. 愛×Happy×クレイジー
  2. 幸せじゃないから死ねない(single ver.)
  3. 平成へゴー!

「こいつだけは無理」でなければ誰を選んでもいい

上野 本日はよろしくお願い致します。

理姫(Vo) 上野さんは恋愛指南のプロみたいなイメージがありますけど、それだけじゃなくて普通に社会人としてとても勉強になるツイートをしていますよね。

バンビ(B) 確かに。

理姫 なので今日はいろいろ教えてもらいに来ました。とりあえず上野さんが言うことを全部真似しとけば大丈夫かなと思って。

上野 いえいえ、参考にしていただけるのはありがたいですし良いとは思いますが、最後はやはりご自身で判断しなければ難しいかと思います(笑)。

理姫 でも上野さんが書く男女の話は本当に勉強になるから、男の人たちは全員読んで、きちんとしてほしい(笑)。

バンビ いや、本当にそう思います。読んでると「なるほどね」ってなるもん。

理姫 バンビは奥手なんですよね。モテそうに見えて全然ダメ。この見た目だからチャンスはありそうだけど、そっから先に踏み込まないんですよ。

バンビ はい。だから今日はちゃんと勉強しなきゃと思ってます。

──上野さんはアカシックのことをご存知でしたか?

上野 私は普段あまり音楽を聴かないものでして、申し訳ないのですがドラマ主題歌が決まって初めて知りました。でも主題歌を聴かせていただいて、ドラマのテーマにも合っていますし、単純に曲としてすごく好きだったので先行配信でダウンロードしました。音楽を買ったのは10年くらいぶりです。

理姫バンビ ありがとうございます!

左から上野、バンビ(B)、理姫(Vo)。

左から上野、バンビ(B)、理姫(Vo)。

──であれば、まずアカシックがどんなバンドなのかを上野さんに自己紹介しましょうか。

理姫 え、恥ずかしい(笑)。

上野 理姫さんは確か横浜の方ですよね? 昔、あの辺りに住んでいたことがありまして、横浜のとあるラブホテルで1日働いたこともあります。

理姫 ホントですか! 私は生まれも育ちも横浜なので、歌詞やパフォーマンスに“横浜感”を出したいと思ってるんですよ。まあ、私が勝手にやってるだけなんですけど。アカシックはほとんど私のエゴで成り立ってるバンドなので。

バンビ ははっ(笑)。

上野 ものすごい苦笑されてますが大丈夫ですか?(笑)

理姫 いつもこんな感じです(笑)。私は本当ならほかのメンバーから嫌われまくっててもおかしくないような人なんだけど、なんだか続いてるっていう絶妙なバランス。リーダー(奥脇達也 / G)には「お前が男だったら今頃ボコボコにしてるところだ」みたいによく言われますよ。私もたぶん無意識に女であることを利用してるのかもしれない(笑)。

バンビ うん、確かに。「お前、男だったら今のないぞ」ってよく言われてるね。そのわりにメンバーの付き合いは長くて、出会ってもうすぐ10年くらい経つんです。

理姫 出会った当初はすごく仲悪かったんです。私とバンビはずっと今と変わらないくらいの距離感なんですけど、リーダーとはギスギスしてて会話なんて全然なくて、曲を作る人と歌詞を乗せる人ってだけのつながりでした。お互い、嫌いだけど「一緒に仕事をするなら、自分たちの周りにいる中ではお前が一番いい」って思える相手なんですよね。最近ちょっとずつ仲よくなってきましたけど。

上野 バンドのことはよくわかりませんが、男女の話で言うと、私は「彼氏や彼女を選ぶときは、身の回りにいる人の中で『こいつだけは絶対無理』っていう人だけ除けば誰を選んでもいい」って思っているんです。

バンビ えっ、マジすか。

上野 そもそも片思いにしても両思いにしても、付き合う前から好意が100点満点ということはまずありえません。男女関係というのはスタート時に5~10点なのを、付き合っていくうちに徐々に100点に近付けていくものです。「ホントに無理」って人であれば減点されていってマイナス100点になってしまうかもしれませんが、そうでなければあとは付き合ってからの問題なので、よほどの相手を除けば誰でもいいと思っています。

理姫 それはうちのバンドにも当てはまりますね。メンバーのことを「こいつだけは無理」と思ってないですもん。ただ、「世界でお前が一番」と思ってるわけでもない。その関係性は間違いじゃなかったのか。

上野 はい。例えばですが、仮に運命というものがあったとして、「世界中でこの人以外とは結婚できない」というのが決まっていたとしたら、その人が死んでしまったらもう相手になる人は存在しないことになります。そんなことはあり得ない。“運命の人”なんていないけど、“運命の人みたいになり得る人”はたくさんいるんです。

このドラマでの演技は不自然なことが自然

──理姫さんはドラマ「ラブホの上野さん」の4話に女優として出演しましたが(参照:アカシック理姫出演ドラマ「ラブホの上野さん」をメンバー全員で観る副音声的ツイキャス)、ドラマ初出演の感想は?

理姫 女優になりたいと思ったこともないし、お芝居をしようと思ったこともないので、最初はどうしようかなと思ってたんです。でも「何事もチャレンジだ」「出てもいいって言ってもらえるのはありがたいことだし、せっかくだからやったほうがいい」って気持ちになって、挑戦してみることにしました。それで撮影が始まってみたら、ほかの出演者の皆さん、演技してるようには全然見えないんですよ。みんな優しくて楽しかったんですけど、収録中は私1人が現実の世界に取り残されているというか、非現実の中に外からふわっと迷い込んできちゃった感覚がずっとあって。

左から理姫(Vo)、バンビ(B)、上野。

左から理姫(Vo)、バンビ(B)、上野。

上野 私がラブホテルのスタッフとして働いていて感じるのは、ラブホテルのお客さまというのは非現実の中にいることが多いです。女性に面と向かって「僕と今日は一晩過ごしてくれ」なんて平然と言うのは、普通の空間ではまずありえないことですし。そういう意味では「素人っぽい」と言ったら失礼ですけど、ドラマの非現実感に戸惑っている姿は現場のラブホスタッフからすれば「おお、めっちゃそれっぽい」と感じました。

理姫 あはは(笑)。ありがとうございます。

上野 ラブホテルはある種の幻想の世界であり、来ていただくお客さまはその空気にうっとりしているわけです。余裕を持った演技をされるのもいいことだと思いますが、普通の男女が宝塚の舞台上のようなセリフを平気で言う不自然な空間なので、不自然でいることが自然な演技、だとも言えるかもしれません。