Blu-ray / DVD「この世界の片隅に」PR

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」
のんインタビュー

普通のことが、こんなに幸せ

こうの史代の同名マンガを、片渕須直が映画化した長編アニメーション「この世界の片隅に」。戦時中の広島・呉市を舞台に、少女すずが大切なものを失いながらも前向きに生きていくさまを描き、動員数200万人を突破した本作のBlu-ray / DVDが、9月15日に発売される。

ソフト化を記念して、映画ナタリーではすずの声を担当したのんにインタビューを実施。第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞など数々の映画賞に輝いた本作の、アフレコ時のエピソードや劇場公開時の反響、お気に入りのシーンなどについて語ってもらった。また、作品の魅力やソフトに収録される特典映像なども紹介しているので、あわせて楽しんでほしい。

取材・文 / 秋葉萌実
撮影 / 日吉永遠

「この世界の片隅に」
2017年9月15日(金)発売 / バンダイビジュアル
「この世界の片隅に」初回限定盤 特装限定版 Blu-ray Disc

特装限定版
[Blu-ray Disc 2枚組]
10584円 / BCXA-1287

Amazon.co.jp

この世界の片隅に」Blu-ray Disc

通常版 [Blu-ray Disc]
5184円 / BCXA-1286

Amazon.co.jp

この世界の片隅に」DVD

通常版 [DVD]
4104円 / BCBA-4858

Amazon.co.jp

ストーリー

絵を描くことと空想が好きな少女・浦野すずは、厳しい兄、優しい妹ら家族とともに広島・江波で楽しく暮らしていた。18歳になった彼女にある日縁談が持ち上がり、呉へと嫁に行くことに。夫となった海軍勤務の文官・周作をはじめとする北條家の人々に囲まれ、慣れない家事に苦戦しながらも、何気ない日々に幸せを感じつつ生活するすず。しかし戦争が激しくなるにつれて、平穏な日常が少しずつ変化していって……。

キャスト

  • 北條(浦野)すず:のん
  • 北條周作:細谷佳正
  • 黒村晴美:稲葉菜月
  • 黒村径子:尾身美詞
  • 水原哲:小野大輔
  • 白木リン:岩井七世
  • 浦野すみ:潘めぐみ

スタッフ

  • 監督・脚本:片渕須直
  • 原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
  • 音楽:コトリンゴ

すずさんの魅力は、実は力強いところ

──本作への出演が決定する前に、片渕須直監督に「こうの史代さんが描くすずさんを演じるのは、私じゃなきゃ嫌です」と手紙を送ったそうですが、“すずさん”というキャラクターのどんなところに魅力を感じましたか?

はげを気にして不機嫌になってしまったり、ずっこけシーンもたくさんあったりと、すずさんにはおとぼけていて面白いところもありますが、実はすごく力強い部分があるのが魅力的だなと思いました。

のん

のん

──その力強さをもっとも感じたシーンはどこでしょう?

終戦の日に怒りを感じている場面は、私が思い描くすずさんの姿とは違っていたので「こんなに強い感情を抱えている人だったんだ」とびっくりしました。意思がしっかりとある人なんだなと感じたので、そこをベースに逆算してすずさんのことを考えていきました。(小姑の)径子さんに叱られることもたくさんあるけれど、すずさんが笑うと、周りにいる人たちが楽しい気持ちになるんですよね。みんなの中心で強く生きている感じが素敵です。

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」

──なるほど。作品全体についてはどんな印象を抱きましたか。

戦時下の広島の日常が丁寧に描かれていて素晴らしいなと思いました。すずさんたちがおいしいごはんやまずいごはんに一喜一憂している姿を観て声に出して笑える。生活をしていくことに幸せを感じるという、ポジティブなメッセージが込められているところに胸を打たれました。そこに感情移入していくと、戦争に対しての恐怖や、広島と呉が支援しあったりと知らない人同士での助け合いなどが心の深いところに響いてきます。

共通点は絵を描くのが好きなところ!

──のんさんがすずさん役を務めるというニュースを映画ナタリーで出したときに、すごく反響がありました(参照:のんがアニメ映画「この世界の片隅に」で主演、「地面からふわっと浮いちゃいそう」)。

本当ですか? やった!

のん

のん

──公開されてからも、声とキャラクターが期待以上に合っていたという声が多かったんです。すずさんについて、自分と似ている、あるいはここが違うと感じた点はありましたか。

人から「ぼーっとしている」と言われるところは似ていますね。私も何も考えていないと思われるタイプなので(笑)。でも自分ではぼーっとしているって思ってないところとか。

──すずさんに対して親近感が湧いたのでは?

そうですね。あと絵を描くのが好きなところも似ています! 完全に違うのは、見初められてお嫁に行けるところ。周作さんがすずさんのことを覚えていて、お呼びがかかって運命的な出会いができるというのは素晴らしいですよね。

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」

──もしのんさんが同じような境遇に置かれたらどう感じると思いますか。

私はけっこううれしいんじゃないかって思いますね。すずさんもちょっとうれしい気持ちがあるんじゃないかと解釈していたんです。私は、どちらかというときっとお仕事を優先してしまうほうなので、家族全員から「結婚する才能がない」と言われていて……。

──ご家族はのんさんに結婚してほしくない気持ちが強いのでは?

いやあ、そんなことないですね! 妹やお母さん、お父さんにも「この子は結婚できないんじゃないか」「たぶん一生独身なんやろうな」とわかりきった感じで言われるんですよね。私は自分のやりたいことに突っ走っていくタイプなので、結婚した相手の方をほったらかしにしちゃうかもしれません(笑)。だから一緒に家事や洗濯をしてくれるような人ならば、いいかもしれない……。

のん

のん

監督から言われたのは「美少女の声を出さないで」

──アフレコはストーリーの流れに沿って行われたんですか?

だいたい順番通りでしたね。子供の頃の声は、私がやるのか違う方をキャスティングするのかを監督がギリギリまで悩まれていたので、最後に残しておいて。18歳くらいになったときから撮っていきました。やっぱり前後していると、ここはこうで……とつなげていくのが難しくて。順番に収録していけたので、考えやすくてありがたかったです。

のん

のん

──すずさんに声を当てる際に、ここは大事にしたいと思ったポイントは?

すずさんのチャーミングさを大事にしようと思っていました。監督からは「美少女の声を出さないで」「すずさんの面白いところを大切にしてほしい」とリハーサルのときから言われていたんです。

──すずさんのおとぼけぶりがかわいらしくて、クスッとする場面がたくさんありました。収録が進むにつれてすずさんというキャラクターへの印象は変わっていったんでしょうか?

すずさんのことを解釈してからアフレコに臨んだので、演じていくにつれて変わっていくということはありませんでしたね。自分の中ですずさんについてわからないことがあったときに、監督の話を聞いて理解していくことはありました。

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」

──例えばどんな場面ですずさんのことがわからなくなりました?

空爆があったときに、「ここに絵の具があったら」と見とれてしまっているシーンです。頭では、きれいに見えてしまったんだな、でもすずさんだからそういうイメージを持つのかな?と思ったんですが、監督から、本当に空にカラフルな色が付いて、誰もが美しいと見えてしまう光景だったと文献に書かれていたと聞いて。リアルにそのシーンを感じることができましたね。

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」