河本ほむら原作、尚村透作画「賭ケグルイ」

河本ほむら原作 尚村透作画
「賭ケグルイ」

マンガ読み・神田沙也加が原作者に突撃

ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)で連載されている「賭ケグルイ」は、ギャンブルでの階級制度が支配する学園を舞台に、賭け事のリスクを楽しむ“賭ケ狂イ”の主人公・蛇喰夢子を描く学園賭博譚。彼女の不敵さや、見た目とのギャップも魅力のひとつだ。

コミックナタリーはこの「賭ケグルイ」を、音楽ユニット・TRUSTRICKでボーカルを務める神田沙也加が激プッシュしているという情報をキャッチ。神田と原作者・河本ほむらの対談をセッティングした。神田のほとばしる作品への愛と、河本による創作の裏話をお楽しみいただきたい。

取材/臼杵成晃
文/坂本恵
撮影/小坂茂雄

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河本ほむら原作、尚村透作画
「賭ケグルイ」
各627円 / スクウェア・エニックス
「賭ケグルイ」1巻
1巻 / 発売中
「賭ケグルイ」2巻
2巻 / 発売中
「賭ケグルイ」3巻
3巻 / 2015年6月22日発売
あらすじ

名門・私立百花王学園。この学園には階級制度が存在する。生徒会を頂点とするこの学校は「ギャンブル」に支配されている。勝てば天国。負ければ地獄。ギャンブル強者は羨望、弱者は被虐のクルった学園。そんな学園に、1人の少女が転校してくる。彼女の名前は蛇喰夢子……。

ガンガンJOKER 7月号
ガンガンJOKER 7月号
2015年6月22日発売
570円
スクウェア・エニックス

最初表紙を見たときはホラーマンガかと思った

河本 はじめまして。

神田 はじめまして! (河本の姿を見て)いやー、……意外ですね!

左から神田沙也加、原作者の河本ほむら。

左から神田沙也加、原作者の河本ほむら。

河本 はははは(笑)。

──確かに「賭ケグルイ」の作風からは想像できないくらい健康そうですね。

神田 ちょっと体育会系な見た目ですね? スポーツとか、やられていたんですか?

河本 バスケットボールと空手をやっていました。

神田 ああ、なるほど、なるほど!

──今日はアーティスト、女優としてというより、マンガ読みの神田沙也加さんとしてお話を伺えればと思っています。ダ・ヴィンチ(KADOKAWA)の「次にくるマンガ特集」で神田さんが「賭ケグルイ」を挙げていたことが、この対談の発端となったわけですが。

神田 いやあ、言ってみるもんですよね。まさか原作者さんにお会いすることができるなんて! マンガ家の先生とご一緒するというのは初めてなので、すごく楽しみにしてきました。

河本 作品をピックアップしていただけて、本当にありがたいです。「載ってるよ」と聞いて、すぐに近くの本屋にダ・ヴィンチを買いに行きましたよ。最初は「嘘だろ」と思いましたけど(笑)。みんなで僕を騙しているんじゃないかと。

──神田さんは広くマンガを読まれていますが、「賭ケグルイ」のどこにまず惹かれたんでしょうか?

神田 まずは表紙のインパクトだったり、キャラデザからですね。書店に並んでいる本って、当たり前だけどシュリンクされていますから。主人公のキャラがものすごく私好みだったんです。ぱっつん黒髪の姫カットロング! 最初表紙を見たときは、ホラーかと思ったんですよ。私、ホラーはあんまり得意じゃないんですけど、裏表紙のあらすじを読んだら、どうやらギャンブルマンガらしいぞ、と。まずはその意外性に興味を惹かれて。パッケージの外側だけでいかに興味を惹くかっていうことは、普段私もCDを作っていて考えることですし、なんだかすごく引っかかったんですよね。それでもちょっとはホラー要素があるのかと思って読んだら、そんなこともなくて。それもまた面白かったですね。

「賭ケグルイ」1巻の表紙。

「賭ケグルイ」1巻の表紙。

河本 ありがとうございます。

神田 私、ギャンブルって、やったことがないんですよ。だから「インディアンポーカー」だとかゲームの名前を見ても「ああ、あれね」って思うこともなく、内容をちゃんと把握しているものが1個もなかったんです。でも、そういう初心者も置いていかないっていうんですかね。ちゃんと説明的であるというのは大前提として、「あれ、ちょっとギャンブルって楽しい?」って思わせちゃう感じというか。それに自分好みの絵柄が絡みついてる。

──ええ。

神田 あと私の職業病というか癖なんですけど、作品を読むときに「自分がやれる役はどれだろう?」と考えてしまうんです。蛇喰夢子ちゃんも、「黒髪にして伸ばしたらできるかも」とか、「こういう感じの声かな」とか想像して、自分を勝手にキャスティングしたりして。……夢子ちゃんはなんで夢子ちゃんって名前なんですか?

河本 なんでしょう。「夢」というワードがこのキャラクターにしっくりきたというか。

神田 確かにすごく合ってます! 夢子ちゃんは一瞬トランス状態になるところがすごくかわいいですよね。エロティックな描写で、危なかわいいです。

トランス状態になる夢子。

トランス状態になる夢子。

友人・田中が考えたタイトルをヒントに

──神田さんの分析もいろいろとお伺いできたところで、そもそも「賭ケグルイ」というお話が頭に浮かんだのは、どういうところからだったんでしょうか。

河本 ガンガンJOKERで新人賞をいただいてから連載をしようということになって。まずタイトルをいろいろと考えていたんです。そしたら友達の田中っていう奴が「『賭ケグルイ』っていいんじゃない?」って言って。「あ、それいいね」と。

神田 あはははは(笑)。じゃあ田中が考えたんだ!

神田沙也加

神田沙也加

河本 そうなんです(笑)。その「賭ケグルイ」っていうタイトルから連想して、「主人公が賭け狂い、ギャンブルに狂っているってどういうことだろう」「リスクを負うのが楽しいんじゃないか」って考えていって。

神田 じゃあ、河本さんか田中のどちらかがギャンブルに精通してたんですか?

河本 あ、僕はまったくやらないですね。田中はめっちゃやります(笑)。

舞台はギャンブルによる階級制度が存在する私立百花王学園。

舞台はギャンブルによる階級制度が存在する私立百花王学園。

神田 そうですよね、でないとそういう発想にはならないですもんね。いやあでも、このタイトルはカタカナだからか、すごく壊れてる人が出てくるんだろうなと思わせますよね。

──まずタイトルがあって、そこから舞台が学校であったりと膨らませていったんでしょうか。

河本 「賭ケグルイ」というタイトルと夢子のキャラクターは決まったんですけど、そこからどういう舞台にするかっていうのは、弟と一緒に考えて(笑)。

神田 田中の次は弟(笑)。いろいろとヒントをいただいて、形にされていったんですね。