「覆面系ノイズ」

「覆面系ノイズ」

切なさと激情に満ちた「覆面系ノイズ」
福山リョウコと早見沙織が語るアニメ化への気概

福山リョウコが描く“音楽×片恋”マンガ「覆面系ノイズ」。4月よりテレビアニメの放送がスタートする。

アニメには主人公・有栖川仁乃(ニノ)役の早見沙織を筆頭に、杠花奏(ユズ)役の山下大輝、榊桃(モモ)役の内山昂輝、珠久里深桜(ミオウ)役の高垣彩陽ら豪華声優陣が参加。また本作で重要なキーとなる劇中の音楽をNARASAKIとWATCHMANによるユニット・SADESPER RECORDが手がけていることでも大きな話題を呼んでいる。

コミックナタリーではマンガの単行本12巻発売に合わせ、福山と早見の対談をセッティング。切なさと激情に満ちた本作の魅力をたっぷりと語り尽くしてもらった。

取材・文 / もりひでゆき
インタビュー撮影 / 石橋雅人

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福山リョウコ「覆面系ノイズ」12巻
「覆面系ノイズ」12巻
2017年3月20日発売
白泉社
463円
あらすじ

2年生になったニノが迎える新学期! とある事情で突如皆の前からいなくなったユズ。誰もがぎこちなさを感じる軽音部でニノの歌声に異変が!? さらに新キャラ新入生も登場!!トキメキと切なさが加速する最新刊!!

» 福山リョウコ『覆面系ノイズ』 | 白泉社
アニメ「覆面系ノイズ」
TVアニメ『覆面系ノイズ』公式サイト
あらすじ

歌が大好きな少女ニノは、幼馴染で初恋の相手モモと、作曲が得意な少年ユズ、 それぞれと幼いころに離れ離れになってしまう。
「いつの日か、歌声を目印にニノを見つけ出す……」2人と交わした約束を胸に、 信じて歌い続けてきたニノ。高校入学の日、彼女たちの運命は音となり、 唐突に鳴りはじめた……!
「ぼくたちは ほんとのこころを かくしてる」

スタッフ / キャスト
スタッフ

原作:福山リョウコ(白泉社「花とゆめ」連載)
監督:髙橋秀弥
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:いとうまりこ
総作画監督:重本和佳子
プロップデザイン:樋口聡美
色彩設計:大塚奈津子
美術監督:諸熊倫子(スタジオ天神)
撮影監督:織田頼信
3D監督:柴山一生(IKIF+)
2DW・特殊効果:徳丸仁志、立花美紀
編集:池田康隆
音響監督:山口貴之
音楽:SADESPER RECORD(NARASAKI/WATCHMAN)
アニメーション制作:ブレインズ・ベース

キャスト

ニノ:早見沙織
ユズ:山下大輝
モモ:内山昂輝
ハルヨシ:小野大輔
深桜:高垣彩陽
クロ:福山潤

アニメには新たな気持ちで臨めています(早見)

──今日はテレビアニメ「覆面系ノイズ」2話目のアフレコ現場にお邪魔しています。福山さんはここまで毎回、立ち会われているそうですね。

福山リョウコ はい。1話、2話と2回来てますね。ただ、実際にアフレコ現場を見ても自分の作品がアニメになることに対してはまだ若干、現実感がない感じ(笑)。もちろんアニメ化はずっと夢だったのでうれしいんですけど、こうやってインタビューをしていただけてることも含めてちょっと不思議な感覚があるんですよね。

アニメ「覆面系ノイズ」ビジュアル。左から山下大輝演じるユズ、早見沙織演じるニノ、内山昂輝演じるモモ。

アニメ「覆面系ノイズ」ビジュアル。左から山下大輝演じるユズ、早見沙織演じるニノ、内山昂輝演じるモモ。

──アニメ化にあたって福山さんから何かリクエストしたことはありましたか?

福山 脚本の打ち合わせには参加させていただきましたけど、ほかにリクエストって何かしたかな? 実際、自分の作品がアニメになるのは初めてなので、どういう流れで作られていくものなのかがまったくわからなくて。監督とスタッフ陣にお任せしているのですが、キャラクターの描き方だったり、イノハリの音楽だったりについて、自分の希望は伝えています。あ、でも脚本やキャスティングなど下地に関わることはスタッフの方々と一緒に考えて取り組んでます。

早見沙織 私はドラマCD(花とゆめ2014年7号の付録として制作された)から続投で、今回もニノをやらせていただいてます。「覆面系ノイズ」に引き続き関われるのはすごくうれしいです。

花とゆめ2014年7号に付属したドラマCDのタイトルは「闇鍋系ノイズ」。

花とゆめ2014年7号に付属したドラマCDのタイトルは「闇鍋系ノイズ」。

福山 ドラマCDはちょっとサイドストーリー的な内容で、本編とは別物な感じだったんですよね。

早見 そうでしたね。みんなで闇鍋をする話(笑)。だからドラマCDのときはコミカルな要素が強かったんです。でも今回の本編は切なくて、情熱的で、激情的な部分が強くなっているので前回とはまた違う、新たな気持ちで臨めています。

「覆面系ノイズ」という作品が大好きだからこそ……(早見)

福山 激情的ですよね、特に早見さん演じるニノは(笑)。私は以前から早見さんの出ている作品をいろいろ拝見していて、「東のエデン」がすごく好きだったんですよ。上品でまっすぐなイメージの声をお持ちだなあってずっと思っていて。ただ、今回のニノにはホントに激情的な部分があるので、1度ね、事前にお会いしたんですよ。

早見  歌録りの後、ご飯に行きましたよね。

福山 そっち?(笑) いやそれもそうなんですけど、ニノ役に本決まりする前に歌を聴かせていただいたことがあって。

早見 あ、マジメなほうですね(笑)。事前のオーディション的なことでしたよね。

福山 歌がお上手なことは重々知ってはいたし、キャストとしてほぼほぼ決まってはいたんですけど、ニノに合った歌を歌っていただけるものかどうかを聴かせていただきたいねとスタッフの皆さんと話し合って、お願いしました。そこでは別のアーティストさんの楽曲を歌っていただいたんですけど、もうね、こちらからの要求を倍にして返してくれるガッツを見せていただけて。それまでに私が抱いていたイメージをいい意味で覆していただけたんで、これはもうすごいね、さすがだねっていうことになったんです。

アニメ「覆面系ノイズ」より。

アニメ「覆面系ノイズ」より。

早見 いやいや、ものすごくドキドキしていましたし、不安もありましたよ。普段、自分がシンガーとして歌っている曲と、「覆面系ノイズ」で歌うことになる曲とはまったく違うわけですから。そういう意味でも、事前にニノに合うかどうかの塩梅を確認していただけたのは私としてもうれしかったんですよね。

福山 あ、ホントですか。ならよかった。

早見 それに、こういうことを言っちゃうのはどうかなって気もしますけど、私がニノに合ってなかったとしたら別の方に演じていただいたほうがいいって思ってましたからね。私は「覆面系ノイズ」という作品が大好きだからこそ、そういう気概を持って臨んだところはありました。結果として無事参加させていただけることになってホッとはしましたけど(笑)。

福山 歌っていただく前、現場で早見さんがたくさん話しかけてくださったんですよ。そのときはものすごく心の葛藤がありましたね。ドラマCDぶりだし、ホントは私もいっぱい話したいんだけど、この後に歌を聴くからな……みたいな(笑)。

──情が湧いてしまうことでジャッジに影響が出てしまうんじゃないかと。

福山 そうですそうです。ちゃんと歌で判断しなきゃいけないけど、「めっちゃいい人だし、どうしよう」みたいな(笑)。そこではちょっと困ったんですけど、でも歌っていただいたらもうバッチリだったんでホントによかったなって思いますね。

アニメ「覆面系ノイズ」より。

アニメ「覆面系ノイズ」より。

──で、その後にご飯を食べにも行ったと。

早見 はい(笑)。それは結構最近ですよね。アニメで使われる曲のレコーディングの後に時間があったので「ご飯行きませんか」って。福山さんのお気に入りのカフェに行きましたよね。

福山 はい。私としてはもう、「声優さんとご飯に行くなんて大丈夫なの?」って感じでかなり動揺してましたけど(笑)。食事の席ではどうでもいい話をずっとしてましたよね。

早見 ほのぼのした平和な会で、楽しかったです(笑)。で、その2週間後くらいからアフレコがスタートした感じでしたね。