コミックビーム100PR

コミックビーム100

コミックビーム100
岩井好典(月刊コミックビーム編集長)×本気鈴(コミックビーム100特命責任編集長)

100ページで100円!
思わず「本気!?」と言いたくなる、新Web雑誌の魅力を徹底解剖

2017年10月6日、月刊コミックビーム(KADOKAWA)による新たなWebマンガ雑誌・コミックビーム100が創刊された。希望小売価格100円、全100ページをコンセプトに、吉田秋生「海街diary」などヒット作を担当してきたベテラン編集者・本気鈴が“特命責任編集長”を務め、ビームのスピリットにのっとったマンガを発表していく。

コミックナタリーでは創刊号の配信開始に合わせて、月刊コミックビームの岩井好典編集長と、コミックビーム100をまとめあげる本気鈴にインタビューを実施。マンガ編集界の異端児・本気鈴の半生に迫りつつ、ビーム100が誕生した経緯やビームのスピリット、そして連載作の見どころを、たっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 鈴木俊介
イラスト / 桜玉吉

コミックビーム100 Vol.1
配信中 / KADOKAWA
コミックビーム100 Vol.1

Kindle版
108円

Amazon.co.jp

コミックビーム100は、2017年10月6日に月刊コミックビームの増刊として創刊されたWeb雑誌。「100ページで100円」をコンセプトに、ベテラン編集者の本気鈴が責任編集を務め、ビームのスピリットにのっとったマンガを発表していく。創刊号にはファンタジー、動物もの、ラブコメ、エッセイなど7作品が掲載されている。

連載ラインナップ

  • 「反逆のオーバーズ」山城良文
    「反逆のオーバーズ」
    山城良文
  • 「ワシとゆきさん」青色イリコ
    「ワシとゆきさん」
    青色イリコ
  • 「ピカリちゃんはなかなかしなないっ!」三部ベベ
    「ピカリちゃんはなかなかしなないっ!」
    三部ベベ
  • 「ちんちんケモケモ」藤咲ユウ
    「ちんちんケモケモ」
    藤咲ユウ
  • 「ソレまだとっとくの?」ねむようこ
    「ソレまだとっとくの?」
    ねむようこ
  • 「快傑蒸気探偵団 ANOTHER STORY 少年怪盗ル・ブレッド」原作 / 麻宮騎亜 漫画 / 金村連
    「快傑蒸気探偵団 ANOTHER STORY
    少年怪盗ル・ブレッド」
    原作 / 麻宮騎亜 漫画 / 金村連
  • 「読もう!コミックビーム」桜玉吉
    「読もう!コミックビーム」
    桜玉吉

ビームの新雑誌に込められた、3つの「本気!?」

本気!? その1:値段が「100円」

桜玉吉のイラスト。

月刊コミックビームの増刊として、新たに生まれたコミックビーム100。月刊のマンガ雑誌でありながら、希望小売価格はなんと100円。「缶ジュース1本よりも安いだなんて、ついにビームもヤケクソになってしまったのか!?」と心配する人もいるかもしれないが、その価格設定にはちゃんと理由があった。

本気!? その2:ページ数は「100ページ」

桜玉吉のイラスト。

コミックビーム100は、1冊のページ数がジャスト100ページ。100ページというのは、一般的なマンガ雑誌のおよそ5分の1のボリュームとなる。手軽に読み切れて、雑誌としての読み応えもあるという“ちょうどいいページ量の電子雑誌”。もちろん、データ容量や価格も、そのぶん抑えられている。

本気!? その3:責任編集は「本気鈴」

桜玉吉のイラスト。

コミックビーム100の表紙には、“editor by 本気鈴”という文字が大きくレイアウトされている。本気鈴とは一体誰なのか。その正体は、「海街diary」「快傑蒸気探偵団」「鉄のラインバレル」「とりあえず地球が滅びる前に」など、数々の人気作に携わってきた名物編集者だった。

月刊コミックビーム編集長 岩井好典×コミックビーム100特命責任編集長 本気鈴 インタビュー

コンセプトは、Webマンガの世界に“革命を起こす”

──100円・100ページという、キャッチーなコンセプトを掲げて創刊される電子雑誌・コミックビーム100。今日は月刊コミックビームの岩井好典編集長と、ビーム100の“特命責任編集長”を務められる本気鈴さんにご登場いただきました。

コミックビーム100創刊号

コミックビーム100創刊号

岩井好典 本気鈴といえば、マンガ界のレジェンド編集者ですよ。

本気鈴 いきなりハードルを上げないでください(苦笑)。

──(笑)。気になる本気さんについては後ほど伺うことにして、まずはビーム100を立ち上げることになった経緯から伺えますか。

岩井 会社から、電子媒体で何かビームらしい新コンテンツを立ち上げられないかというオファーがあり、検討を重ねていく中でデジタル増刊を立ち上げることになりました。紙の雑誌で新しいことをするのは、今のマーケットの状況を考えると難しいし、電子で発表したものを紙の本にしていくという作業は、ビームとしてはこれまでやっていなかったので、それをやりましょうと。それで、Webマンガをやっている知り合いの編集者にリサーチをしたところ、一番の問題は「ブランディングができない」ということだったんです。要するに雑誌のカラーとか、まとまりみたいなものを出すのが難しい。人気作が生まれて、サイトに人がたくさん来てくれても、目当ての作品だけを読んで帰ってしまう人が大半で、ほかの作品に波及するような雑誌的なダイナミズムが作れないんです。

──雑誌のカラーというと、少年ジャンプであれば“友情・努力・勝利”を軸にしたマンガが載っているとか、チャンピオンにはヤンキーマンガが載っているというような。

岩井 まあ、そういったイメージは読者がつけるものなので、必ずしも雑誌がそうである必要はないのですが。チャンピオンにだって、「マカロニほうれん荘」とか、最近で言うと「弱虫ペダル」とか、ヤンキーマンガではない人気作もたくさんありますよね。でも、ヤンキーマンガを読みたいと思って雑誌を買った読者が、「弱虫ペダル」を読んで面白いなと思うこともあるでしょう。ビームだってそうです。桜玉吉のマンガを読みたいと思った読者が、丸尾末広のマンガにハマるかもしれない。これは前編集長の奥村がよく言うことですが、雑誌というのは“雑”な“誌”なのだから、いろいろな作品が載っていていい。そういうバラエティこそが雑誌のブランドを奥深くしていくわけですから。

丸尾末広「トミノの地獄」1巻

丸尾末広「トミノの地獄」1巻

──Webマンガでは、これまでそうした繋がりを作るのが難しかったと。

岩井 ええ。その突破口を作れないか、革命を起こせないかと考えたときに、たどり着いたのが“100ページ”という切り口でした。100ページくらいなら気軽に読み切ってもらえるし、雑誌的なうねりも出せるんじゃないか。100ページの間に、例えば3本の長編と2本のショートが載っていれば、雑誌的な面白さや作品の波及みたいな部分にトライできると思うんです。ただ、そうしてコンセプトはできたけれど、それをビーム編集部の人間が作るのはマンパワー的に苦しい。では外部の方にお願いしようとなったときに、パッと頭に思い浮かんだのが、本気鈴さんだったんです。

本気鈴って誰!? マンガ界を“暗躍”する敏腕編集者

──本気さんは、編集者の間では名の知れた方だとお聞きしているのですが、読者の多くは「本気鈴って誰?」というのが正直な感想だと思います。まずは本気さんの、編集者としての経歴をお聞かせいただけますか。

本気 どこから話せばいいか……。最初は編集プロダクションに就職して、集英社の月刊少年ジャンプに、外部スタッフとして配属されたんですよ。そこで5~6年、懸賞ページや読者投稿ページを作る仕事をしていました。ただ、目の前でマンガの打ち合わせをしているのに、自分はそれに関わることはできなくて、正直つまらなくなってきた。転機だったのは、麻宮騎亜さんとの出会いです。たまたま知り合う機会があり、「月刊少年ジャンプで描いてくれませんか」という話をしたら、「やりたいです」と仰ってくれて。それで「快傑蒸気探偵団」を立ち上げから担当させていただいたのが、マンガ編集者としてのスタートです。

麻宮騎亜「快傑蒸気探偵団」文庫版1巻 ©麻宮騎亜/集英社

麻宮騎亜「快傑蒸気探偵団」文庫版1巻 ©麻宮騎亜/集英社

岩井 麻宮さんは「サイレントメビウス」や「アセンブラ0X」も連載していたし、すごく忙しい時期ですよね。

本気 その当時は、4誌くらい同時に連載していたんじゃないですかね。「快傑蒸気探偵団」は連載の途中でウルトラジャンプに移籍になるんですけど、そのタイミングで私も月刊少年ジャンプを離れることになりました。麻宮さんの担当は続けながら、今度は小学館の別冊少女コミックに関わることになって、当時「YASHA-夜叉-」を連載されていた、吉田秋生さんの担当を依頼されたんです。そこから途中、担当を離れたこともありましたが、「イヴの眠り」「海街diary」と、吉田さんの担当は私がさせていただいております。

吉田秋生「海街diary」1巻 ©吉田秋生/小学館フラワーズコミックス

吉田秋生「海街diary」1巻 ©吉田秋生/小学館フラワーズコミックス

──「快傑蒸気探偵団」や「海街diary」を、立ち上げから担当されたんですね。少年マンガ誌に加えて少女マンガ誌と所属先が増え、読者層や扱う作品の方向性も大きく変わったと思うのですが、戸惑いはありませんでしたか。

本気 それは特になかったですね。マンガ好きの兄と姉がいた影響で、子供の頃から少年マンガも少女マンガもたくさん読んで育ったんです。それに、少女マンガ誌の編集を男性がやるというのは当時は普通でしたから。振り幅ということでしたら、小学館ではハーレクイン作品を手がけたこともあります。あのときばかりは「いよいよ女性マンガを極めたな」と思いましたね(笑)。それはさておき、出向が解けたタイミングで、いろいろな編集者さんに「手伝ってくれないか」と声をかけてもらって。週刊プレイボーイで「キン肉マンⅡ世」が始まるときにサブ担当としてお手伝いしたり、あちこちの作品に関わることになったんですよ。フリーランスとして、現在に近い働き方を始めたのはその頃からですね。

──その頃には、業界的にも「すごい編集者がいる。ぜひこの人に頼もう」というような空気感だったんでしょうか。

本気 とんでもない! 単純に頼みやすい人間だったんだと思いますよ。近くにいる便利な助っ人……って感覚でしょうね。ただ、当時は編集部間でもなんとなく壁がありましたし、掛け持ちすることを良く思わない人もいたと思います。

岩井 ライバル誌なんかだと、特に抵抗があったでしょうね。

本気 私はあまり気にせず、声をかけられたらあちこちに顔を出していましたが……(笑)。講談社さんでも仕事をしていましたし、スクウェア・エニックスさんでも……最近では月刊ビッグガンガンに載っていた「新闇狩人」を担当させてもらっていました。連載終了後、ホーム社のWebサイト・Zで新シリーズの「闇狩人△DELTA」が始まったのですが、それも作家さんの希望で引き続き私が担当させてもらっています。

細川真義、坂口いく「新闇狩人」1巻

細川真義、坂口いく「新闇狩人」1巻

──お話を聞いていると、本当にマンガ界のさまざまな場所で活躍されていらっしゃるんですね。

本気 たまに知り合いから「暗躍してる」と揶揄されます。いや、してませんから(笑)。