「アリスと蔵六」

「アリスと蔵六」

どんな空想も、彼女が願えば現実に
アニメ化記念今井哲也インタビュー

今井哲也「アリスと蔵六」のテレビアニメ化が決定し、4月2日より放送される。同作はマンガ読みの間で連載開始時より話題を集めており、2013年には第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞した注目作品だ。

コミックナタリーでは放送直前のタイミングで、原作者・今井にインタビューを実施。大のアニメ好きとして知られる作者は、メディアミックスにどのような感慨を抱いているのか。現在の心境のほか、作品について連載開始の経緯から語ってもらった。

取材・文 / 淵上龍一

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テレビアニメ「アリスと蔵六」
テレビアニメ「アリスと蔵六」
放送情報
  • TOKYO MX:2017年4月2日(日)22:30~
  • KBS京都:2017年4月2日(日)23:00~
  • サンテレビ:2017年4月2日(日)24:30~
  • BS11:2017年4月4日(火)24:00~
  • AT-X:2017年4月7日(金)22:00~
作品情報
キャスト
  • 紗名:大和田仁美
  • 樫村蔵六:大塚明夫
  • 樫村早苗:豊崎愛生
  • 雛霧あさひ:藤原夏海
  • 雛霧よなが:鬼頭明里
  • 一条雫:小清水亜美
  • 内藤竜:大塚芳忠
  • 山田のり子:広瀬ゆうき
  • “ミニーC”・タチバナ:能登麻美子
  • 鬼頭浩一:松風雅也
  • クレオ:内田秀
スタッフ
  • 原作:今井哲也(徳間書店「月刊COMICリュウ」連載)
  • 監督:桜美かつし
  • シリーズ構成:高山文彦
  • キャラクターデザイン:岩倉和憲
  • 美術設定:廣瀬義憲
  • 美術監督:柳原拓巳
  • 色彩設計:田辺香奈
  • 撮影監督:大河内喜夫
  • 編集:後藤正浩(REAL-T)
  • 音楽:TO-MAS
  • オープニング主題歌:ORESAMA「ワンダードライブ」
  • エンディング主題歌:toi toy toi(kotringo edition)「Chant」
  • 音響監督:岩浪美和
  • アニメーション制作:J.C.STAFF
今井哲也「アリスと蔵六(1)」
発売中 / 徳間書店
今井哲也「アリスと蔵六(1)」
コミック / 669円
Kindle版 / 619円
作品情報

「研究所」から脱走して、初めて外の世界を知った少女・紗名。彼女は「アリスの夢」と呼ばれる超能力の持ち主。しかし幼くて未熟なため、能力を使いこなすことができていない。途方に暮れていた彼女が出会ったのは、花屋のじいさん・蔵六。超能力も何も関係なく「悪いことは悪い」と説教してくる蔵六との出会いが紗名の運命を、そしてこの世界の運命をも大きく変えていくことになる。
第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作品!

アリスと蔵六

——これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。

あらゆる想像を具現化する「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力を持った少女・紗名は、自由を求めて「研究所」から外の世界へと飛び出す。

出会ったばかりの人間に、頼みを聞けば願いを何でも叶えてやる、と取引を持ちかける紗名。恐れを知らない態度だ。

紗名を追う謎の組織の能力者たち、そして心優しい人々……。自分には力がありなんでもできる……そう信じていた彼女は、さまざまな出会いの中で何を思うのか。

研究所の追手をかわすため、紗名は街中で派手な攻防戦を繰り広げる。通行人が巻き添えを食うことまでは気が回らない。

空想と現実の境目で生きる少女・紗名と、曲がったことが大嫌いなじいさん・蔵六。2人が出会い、物語は動き出す。

街中で暴れる紗名たちに、現実を生きる頑固じいさん・蔵六の怒りが爆発!
今井哲也インタビュー

お願いしたのは、とにかく美少女アニメにしてくれってことだけ

──「アリスと蔵六」テレビアニメ化おめでとうございます。今井さんといえばご自身もアニメ好きとして知られていますが、本作がアニメ化されることは想像されていましたか?

アニメ好きで知られるって、Twitterとかで感想をつぶやいてるだけですけれど(笑)。僕の考える好きなアニメというか、そういう要素をマンガに入れられたらと思いながら描いているところはあります。でもそれが「これをアニメにしてくれー!」という気持ちかというと、複雑な思いもあり。

今井哲也が描き下ろした「アリスと蔵六」アニメ化記念イラスト。

今井哲也が描き下ろした「アリスと蔵六」アニメ化記念イラスト。

──マンガの描き方に、アニメ的な演出を取り入れているということですか?

こういうアクションが出てきたらすごい盛り上がる!みたいな、普段アニメを観ているときに自分が昂るポイントやシーンを意識してマンガで出すようにしていて。読んでいる人も、その人の中のアニメっぽさを思い出しながら読んでくれている気はしますね。

──実際にそういう感想や反響をもらったり?

2巻に出てくる一条とミニーCのバトルシーンを描いたときは、だいぶアニメっぽいと言われましたね。僕は素人なんで、実際にアニメを作ってる方々からすると違うのかもしれないですけど、動く物の量が多いと作画的に動かすのは大変そうじゃないですか。物が派手に壊れるとか、ものすごい人混みの中をキャラが逃げ回るとか、アニメでこれをやるのは無理だろうけどマンガならできるぜ!みたいな気持ちで描いていたので、アニメにしますって言われたときは「嘘でしょう!?」って。こんなアニメにしづらいやつ大丈夫なんですか、すいませんほんとすいません、みたいなことをいつも言ってます。

一条とミニーCのバトルシーン。詠唱、壊れるコンテナ、ガンアクションと派手なシーンが展開される。

一条とミニーCのバトルシーン。詠唱、壊れるコンテナ、ガンアクションと派手なシーンが展開される。

──アニメのいいとこ取りをしたぶん、それをちゃんと動かすのは大変そうだと。難しいシーンも多そうですが、原作者として要望を出したりは。

シリーズ構成の髙山文彦さんと監督の桜美かつしさんが割とカッチリした作品を作る方々なので、そこは全幅の信頼を寄せています。むしろコンテを見せてもらった段階で、結構細かい仕草とかアクションも拾っていただいてるのが確認できて「あ、ここまでやるんだ」と思いました。僕がお願いしたのは、とにかく美少女アニメにしてくれってことだけですね。キャラをかわいくしてほしいって、たぶん、ほぼそれしか言ってない。すごい、こう、やっかいなオタクのリビドーをぶつけていますね……。

──(笑)。